二十四節気の立冬に見る自生地

アカツメクサが咲きマユミが真っ赤な実をつけています

2009年11月7日(土)

今日から来年2月3日までの約3ヶ月が二十四節気の冬の季節だ。
11月は小春日和の穏やかな日が多く、特に最近の暖冬傾向で関東の平野部ではこれから紅葉の盛りを迎える。往く秋を惜しみ来る べき寒さへのウオーミングアップの月といえる。
今日は小春日和の穏やかな一日だったが、朝6時半ごろには雲が多くまだ陽射しが無くて少し肌寒い感じだっ たが、次第に雲が薄れ日が射し始めると暖かくなった。
自生地はまた白さが増したようだった。手前のオギの白い穂の区域と先の方のヨシの少し黄土色がかった区 域がハッキリ別れて朝日に輝いていた。
自生地風景

自生地に降りる昭和水門近くのゲート付近の草地に先日来 アカツメクサが伸びているが、このところの暖かさで花が増え草丈も伸びている。明治維新の頃にヨーロッパから牧草として 輸入されたマメ科シャジクソウ属の多年草で、属名はやや放射状に出る掌状の小葉の配列に由来し車軸草。種としてのシャジクソ ウのみが在来種で、後の約12種は全て帰化植物という。

ノコンギク ユウガギク
ノコンギク、円内は白い冠毛も見えます ユウガギク、手前の痩果には冠毛はありません
第2自生地のノコンギクは花が終わって枯れ姿になっているのがかなり多かった。ユウガギクやカントウヨ メナと違って筒状花が山なりに盛り上がって枯れ残っている。よく見ると冠毛が見えているのもあった。
第1自生地はユウガギクが盛りを過ぎて実になっているのが圧倒的に多かった。花が咲いているのはほとん どがカントウヨメナのようだった。
先日来黒褐色になっているオトギリソウ科の トモエソウの果実は上に穴があいているのが断然多くなったが、 それだけで大きな変化はない。「刮ハは5枚の殻に裂開し、多数の細かい種子を出す」というのでよく見ると縦の裂け目が入って いるのもあり、もう少し要観察だ。

アカツメクサ ユウガギクの痩果 トモエソウの刮ハ
アカツメクサ(ムラサキツメクサ) ユウガギクの痩果が目立ちました トモエソウの刮ハは丈夫です
キンミズヒキ マユミの刮ハ スズメウリ
キンミズヒキの紅葉 マユミの赤い種子が見えます スズメウリとツルマメの実
太陽の恵みを一番受ける鴨川沿いは相変わらずカントウヨメナを中心とするユウガギクなどの花々が見事だ った。バラ科のキンミズヒキはヒッツキ虫の果実が多いが チラホラ花も健在。そして葉は紅葉しているのが多くなった。コ メナモミはすっかり黒くなったが手に優しいのは相変わらずで、触ると粘り鱗片等が付いてきた。アサ科の カナムグラは相変わらず大きな掌状の葉を広げその上下に多 数の雌花をつけていた。大半が赤褐色になっており、種子をつけているようだった。
ニシキギ科のマユミ(真弓)が淡紅色に熟した1pくらいの角の丸い実をいっぱいに付けていた。そして多 くの刮ハは裂けて橙赤色の仮種被に包まれた種子をのぞかせていた。
真弓の名は材が白く緻密で狂いが少ない事から昔、弓を作った事に由来するという。

立冬(りっとう):11月7日頃、二十四節気では冬の最初の節気。11月が初冬で冬への緩やかに移行期、12月は仲 冬で、寒さも本格的になり忙しい年末、1月は新たな年を迎え実も引き締まる思いの晩冬だ。