二十四節気の大雪に見る自生地

クヌギやハンノキは来春の準備を怠りありません

2009年12月7日(月)

前日は抜けるような青空に加えまったくの無風の小春日和で、堤防上のコウゾリナは15時頃になっても閉 じるのを忘れていた。
一転今日は青空は広がったものの北風が強くコウゾリナは午前中でも半開きで、自生地ではヨシやオギの 千切れた穂や枯葉が飛び交っていた。反面、風の強い日には富士山や遠くの山並みまできれいに遠望できる。
富士山
浦和ゴルフ近くの荒川左岸堤防上より

クヌギ&ハンノキ
最初に念願の黄熟したキカラスウリを採取してきた。キカラスウリの塊根から昔懐かしいベビーパウダーの 天花(瓜)粉をとったと云われるが、天花とは雪の白さを形容した異称で大雪に果実をとれたのは何となく嬉しかった。
自生地中央付近に生えるクヌギとハンノキ。左の2本がクヌギで手前の木に何故か多くの枯葉が残ってい る。右の濃緑色に見えるのがハンノキ
自生地到着は11時。中央付近の2本のクヌギは一本がほとんど葉を落としているがもう一本は対照的に多く の葉を残しているのが不思議だった。風の向きがある程度一定しているのだろうか。
両木とも冬芽をたくさんつけている。果実は2年目の夏から急成長し晩秋に褐色に成熟するというが、今年 のは未だ分からないくらい小さいのだろうか。一時はたくさんの堅果(どんぐり)が落ちていたが、今は枯葉のみがびっしり観 察路中央付近に積っている。
クヌギ(檪・椚・橡など):ブナ科コナラ属の落葉高木でコナラと共に武蔵野の雑木林を形成していた
観察路の落葉 ハンノキ
観察路中央付近はクヌギの落葉に覆われている ハンノキはサラミのような雄花序を多くつけている
ハンノキはサラミのような雄花序を盛大に吊る下げその根元近くには小さな雌花序をつけている。芽鱗に包まれず裸出しているの はハンノキ亜属の共通の特色という。
花は12月〜3月で暖かい日をねらってあっという間に開花する(樹に咲く花)とあるので今後気をつけて見 ていきたい。写真を見ると今年は2月10日には花粉を飛ばし終わっていたようだ。
ハンノキ(榛の木):カバノキ科ハンノキ属の低湿地や湿原に生える落葉高木。別名ハリノキ

自生地ではおおむね枯れ姿で、ユウガギクやカントウヨメナの種子を飛ばし終わったりまだ花床に残って いるもの、キンミズヒキは果実をつけて紅葉しながら若い葉をつけた茎を伸ばしたり、前回も載せたがコカモメヅルの風待ちも あったりで、よく見るとそれぞれ忙しい。
キンミズヒキ カントウヨメナ種子 コカモメヅル
若葉、果実、紅葉のキンミズヒキ カントウヨメナの種子 コカモメヅルの旅立ち

大雪(たいせつ):12月7日頃、寒さが本格的になり自然界は霜枯れし始めるのが大雪の頃。日本海側では大雪 が降り易い頃というが、暖冬化の進む現代では少し時期がずれるような気もする。