二十四節気の大暑に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

ニガクサが自生地でも荒川河川敷にも繁茂しています

2013年7月23日(火)

観察路
このところ毎朝5時前に家を出て河川敷の原野でオオブタクサを駆除している。よせばいいのに範囲を広げてだいぶ奥の群生地まで踏 み込んでしまった。今朝も2メートル以上のものを50本くらいは抜いただろうか。主根は短くほとんどがひげ根なので大きくともそう苦労なしに抜ける。そ して採った所は大きな空き地となるので変な達成感があって始末に悪い。
今朝も汗びっしょりになって7時半頃自生地についた。
自生地ではオギやヨシが3メートル近くにも伸びて観察路を圧迫している所もあった。トモエソウやノカンゾウは花が終わりに近く実 をつけているのが見られた。トモエソウはドングリを立てたような実を盛大につけている。ヤブカンゾウは稔性(生殖力)がないがノカンゾウは実(刮ハ) をつけるようで、ピーマンを小さくしたような刮ハが見られた。
ヤブカンゾウは3倍体なので結実しないといわれる。3倍体は染色体のセット数が奇数なので正常な減数分裂が起こらない。種子では増え ずに匍匐茎を出して広がり、群落を形成する。

荒川河川敷では今、ニガクサが 大発生している。自生地では昨年まではほとんど見たことがなかったが今年は特に鴨川縁に群生している。自生地の生き字引みたいなTさんも去年まではな かったと言っているので本当に不思議だ。
05年に初めて見た時には何がどうなっているのか全く分からなかった。中央の大きな花びらが舌のように垂れ下がり、雌しべと雄しべ が花の外に突き出ている独特の花は奇妙と言うよりほかなかった。
上唇が小さくて深く2裂し、下唇は3裂した真ん中の裂片が大きく垂れ下がり、左右の裂片は小さい唇形花で、長い雌しべは雄しべ4本 とともに花冠の外に突き出る。というのは図鑑で調べてようやく納得だった。
そして蕾にはヒゲブトグンバイの幼虫が寄生して白く膨れ虫こぶになりやすいという。
ヒゲブトグンバイはカメムシ目グンバイムシ科の大きさ4mm前後のカメムシで文字通りひげが太い。ニガクサなどシソ科の植物の蕾に虫 瘤を作り、その中で幼虫が育つ。夏に虫えいの上部の合わせ目から1匹のヒゲブトグンバイが出てくる。
ニガクサ ニガクサUP
ニガクサ(苦草)はシソ科の多年草。茎や葉は苦くはないという

オニユリ
自生地の全域でオニユリが見られる。特にA区の鴨川側からみられる群生は見事だ。
オニユリは人里近い山野に自生する多年草で、古くは栽培されたものが野生化したらしい。
オニユリ
地下の鱗茎は食料になり、葉腋ごとにムカゴ(珠芽)をつける。
ムカゴをつけるユリはオニユリだけで、種子ができずムカゴで増える。対してコオニユリはよく結実する。
花は径10pくらいで花被片が強く反り返り、内面に多くの黒紫色の斑点がある。
鱗茎とは肥大した地下葉に覆われた地下茎で、毎年鱗片の数を増やし生長していく。鱗片はでんぷん質に富み、オニユリ、コオニユリ、 ヤマユリなど古くから食用にされている。

ヒルガオやバアソブやウマノスズクサも多くの花を咲き継いでいます。アゼオトギリについでオトギリソウの花も見られました。
ユウガギクやキンミズヒキ、ミズタマソウも見られるようになり、コバギボウシも蕾をつけ始めました。
つがいで飛んできたシオヤアブは私の行く先々に飛んで行きますが決して離れようとはしませんでした。アカボシゴマダラがクヌギに 飛んできたのをよく見ると樹液が目当てで、なんと先客がいました。
ミズタマソウ アカボシゴマダラ オトギリソウ
ミズタマソウ アカボシゴマダラ オトギリソウ

大暑(たいしょ):7月22日頃だが今年は23日。朝5時前の空は高く澄んで景色全体が透明感のあるメルヘンチックな雰囲気だった。でも 6時ころからは強い夏の陽射しが照りつけまさしく大暑、でも15時過ぎには大気の状態が不安定になり東京など局地的に豪雨に見舞われ、目まぐるしく天気 が変わる大暑だった。