二十四節気の立冬に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

ヨモギなどが歩道に伸びだして不法投棄の温床です

2013年11月7日(木)

サクラソウ自生地
夜半からの雨が11頃まで降り続き、昼頃の自生地は一面の白い穂波が雨を含んで色濃くなり、群落ごとに微妙に色が違って見えていた。
ノコンギク トネアザミ
ノコンギク トネアザミ
今日はノコンギクの群生がある第2自生地に直行。普段でもなんとなく頼りなげな花たちが雨に濡れてお互いに寄り添っていた。花が終わって 特徴的な長い冠毛の頭果がないか目を皿にしてみたがまだ一つも見つからなかった。
トネアザミ(利根薊)はナンブアザミの変種で別名タイアザミ、野に咲く花(山渓)はトネアザミを別名としている。タイアザミと聞くとタイが 原産地のように思ってしまうが一般的な漢字表記は大きな薊で大薊、痛薊とも表記するようだ。関東地方に多く、葉や総苞片の刺が太くて長い。頭花がうつむいて 咲く事が多く総苞片は長くて反り返るのが特徴。

歩道にはみ出し
A区とB区の駐車場側は柵を越えてヨモギなどが歩道に伸び出し、所々ヨシやオギがつる植物と一緒に覆いかぶさっている。こうなると国の特別 天然記念物の面影はさらさら無く、単なる荒れ地に見えてしまい、不法投棄の温床だ。
サクラソウ自生地側は歩道なのだから公園管理の仕事だと言い、桜草公園は自生地から伸び出しているのだから我々の仕事ではないと手を付けない。
国指定の特別天然記念物の指定があってこそのサクラソウ自生地であり、桜草公園なのに現実的には両者ともそこを気づかぬ振りだ。 お役所の縦割りの弊害を埋めるのは当面市民の意識の高まりしかないように思うが、それも望み薄の現状はサクラソウの行く末を暗示しているようだ。

ヨシ
ユウガギクは花が少なくなり、黒くなったツルマメヤブツルアズキの細長い豆果が目立ち、黒く熟した シオデの大きな実も見られる。オギやヨシの穂はこうべを垂れ、 雨滴を含んだつる植物による倒伏地がますます増えた。
スズメウリ ノブドウ
スズメウリは約1pで熟すと象牙色 ノブドウは約8oで食べられない
ひときわ高いのはヨシ。ヨシやオギ、ススキはイネ科で、ヨシが一番大きく、葉が広く中央脈が目立たない。花穂は紫褐色で水湿地を好む。
オギとススキは同じススキ属で中央脈がハッキリしている。オギの花穂は毛が長く銀白色で、湿地に生え株立ちしない。ススキはノギがあって 花穂が黄褐色がかり、日当たりの良い土手などに株を作って生えるのが特徴。

立冬(りっとう):2013年11月7日の立冬は夜半からの雨が11時頃まで降り続き、気温は14℃くらいで何となく冬近しを思わせたが、午後からは 次第に晴れ間ものぞき夜には三日月がかかっていた。