二十四節気の啓蟄に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

今年のサクラソウ自生地は花が全体的に遅そうです

2014年3月6日(木)

今年の啓蟄は青空は広がったものの冷たい北風が吹き荒れ、自生地に1時間くらい居たら身震いするほど冷え切ってしまった。
ノウルシは相変わらず全域で芽を出しているが、昨年見られた花が咲いたように黄色く色づいた株はまだ何処にも見られなかった。
ノウルシ
一面を彩るノウルシの各生長段階の芽生え。芽出しは赤く次第に緑色に変化していきます。

サクラソウ
サクラソウもアチコチで緑色の芽を出して きたが、全体的に小さく昨年より生育は遅い。2013年は16日が初咲きだったが、今後も気温が低い日が続きそうなので、花は去年より遅くなりそうだ。
フキノトウ
左上の写真の緑色のサクラソウの小さな芽生えはノウルシの5分の1位しかない。
右上はフキノトウ。蕗の薹は葉に先立って 伸びるフキの花茎。雌雄異株で、雌花は受粉後、花茎を伸ばし、タンポポのような綿毛をつけた種子を飛ばす。
いつも自生地を一番に彩るヒロハアマナは群生地をいくら目を凝らしてみても何も見えない。去年は8日に一斉に咲いたが、この有様では今年はチョット 無理のようだ。ちなみに去年は同じ日にアマナの初咲きも見られた。

全般的に去年より遅そうな自生地では、ドバトの群れが時折羽音を響かせて飛び立っては移動して採餌していた。その他は風も強かった ので時折ツツーと地面を走っては胸を張るツグミが見られたくらいだった。
啓蟄とあってモグラ(土竜)の動きも活発化したのか土盛り(モグラ塚)が多く見られた。日本には4属7種のモグラ類が棲息し、西日本 に棲息するコウベモグラ以外は日本固有種で東日本にはアズマモグラが広く分布するという。
ツグミ モグラ塚
ツグミは日本では囀らないのが名の由来とも モグラ(土竜)はモグラ科の哺乳類の総称

シロバナタンポポ
自生地の北側の旧志木街道の南斜面は北風を受けないのでシロバナタンポポやオオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウなどが早春から花を つけている。
一方C区の鴨川よりの東側観察路の囲柵際に1茎ツクシが生えていた。驚いた事にほとんど胞子を飛ばし終わっていた。
ツクシ
左上のシロバナタンポポの花の斜め上に、APG分類ではオオバコ科のオオイヌノフグリが見えます
右上の写真のツクシ(土筆)はトクサ科 のスギナの胞子茎。もう胞子を飛ばし終わっているのは強風のお蔭でしょうか。茶色で輪状の葉は「袴(はかま)」と呼ばれる。成長すると栄養茎を伸ばし、 スギナになって光合成を行う。

啓蟄(けいちつ):2014年の啓蟄は3月6日。今日は青空は広がったものの強い北風が冷たく、1時間くらいで身震いするほどだった。