二十四節気の芒種に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

サクラソウの刮ハが割れて独立中央胎座が見えました

2015年6月6日(土)

サクラソウの刮ハ
今年は多くの花を咲かせ楽しませてくれたサクラソウが様々な段階の刮ハをつけていた。5枚の萼の上に果実を載せているも のから葱坊主のようなものまで様々だった。
サクラソウの刮ハたち
今まではこの季節にはオギなどが育ってしまい、サクラソウの果実は垣間見るだけが多かったので、裂開して独立中央胎座 や種子が見られたのは非常に興味深く、色々写真を撮りまくった。
独立中央胎座や種子の形はパソコンに移して初めて分かったので肉眼ではちょっと無理だ。
独立中央胎座:子房の中に仕切りが無く一室で、床にあたる部分が球形または円柱状に上方にもり上がり、多くの胚珠がその上に 付く胎座。日本の合弁花類ではサクラソウ科だけ、離弁花類ではナデシコ科だけに見られる。(野草図鑑)

イヌヌマトラノオ
キタテハ裏 キタテハ表
キタテハ裏 キタテハ表
今年も白い小さな花を独特の形の花穂につけるオカトラノオ属の季節がやってきた。オカトラノオ属も独立中央胎座を持ち、 雄しべが裂片と対生する特徴のサクラソウ科の一員だ。
自生地ばかりでなくさいたま市の荒川河川敷ではノジトラノオに似て非なる、オカトラノオとヌマトラノオの雑種と言われる イヌヌマトラノオばかりだ。
でも自生地にはノジトラノオがあるのではないかと毎年探している。今年もノジトラノオらしき花穂を見つけてカメラを向 けていたら、キタテハが飛んできて翅を閉じたり開いたり、方向を変えたりでサービスしてくれた。

毎年この花の季節になると不思議に思うが クララの花は長さ約1.5pのれっきとした蝶形花だ。筒状の萼は約8oで先端が浅く5裂する。全草毒草で特に根の部分が毒性が強く、噛むと くらくらするほど苦いのが名の由来。オオルリシジミはこのクララのみを食草とする。
クララ ウマノスズクサ
クララ(眩草) ウマノスズクサ(馬の鈴草)
ノカラマツ クサフジ
ノカラマツ(野唐松) クサフジ(草藤)
ウマノスズクサは花弁が 無く萼がラッパ状になり基部が丸い。丸い部分には花柱に合着した葯や雌しべがあり、子房はその下の花茎みたいなところにある。ジャコウアゲハ の食草。
ノカラマツはキンポウゲ科 の多年草。環境省の12年の見直しでは絶滅危惧U類(VU)に絶滅度がアップし、埼玉カテゴリーではダウンしている面白い種だ。事実さいたま市の 河川敷には普通に見られる。
クサフジはマメ科のつる性の 多年草で、18〜24の多くの小葉がつき質は薄い。花柄が萼の後端につき、先端部(舷部)と筒部(爪部)が同長なのが外来種のナヨクサフジなどとの違い。

芒種(ぼうしゅ):6月5日または6日で今年は6日だった。芒種の芒は一字では「すすき」または「のぎ」ノギはイネ科の植物の 実の先端にある針状の突起。その事から芒種はイネ科の種まきの時期を表しているが、現代では一ヶ月早くなっている。。