二十四節気の立冬に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

雨を含んだオギの穂は枯れ色の世界を演出していた

2015年11月8日(日)

ヘクソカズラ
自生地
2015年11月8日の立冬は前日までの好天から一転、朝から雨模様の日曜日になった。完全武装で行った自生地は2週間振りで、オギの白い 穂並が枯葉色の世界に変身していた。
右はヘクソカズラの核果。果実は直径約6oで熟すと黄褐色になる。中には2個の核がありそれぞれ1個の種子が入る。この果実 はしもやけの薬として古くから利用されてきた。
いつもは7日が立冬だが今年は4年に一度の8日だ。二十四節気では19番目の節気で、暦上この日から冬になる。さいたま市の気温は14℃と 低くて文字通り冬の到来だった。
ノブドウヘクソカズラの果実は全域で見られ、アカネの実も黒紫色 に熟していた。ツルマメや長いヤブツルアズキの黒くなった豆果は既に種子は落として殻だけなのが多い。

ノコンギク ユウガギク
ノコンギクの葉は両面に毛が多くざらつくのが特徴 ユウガギクは痩果を包んだ総苞が黒く変色しているのも多い
ノコンギクが花が多いのにはビックリした。2週間前に満開に近かったので今日は咲き終わった花が多く、萎れた花をつけた総苞が 多いとあまり期待していなかった。ところが未だ花の盛りで萎んだのは見えず、ノコンギクの花園だった。
観察路の周囲はユウガギクの花も見られ るが痩果を包んだ総苞が主役になっている。大小様々、色も黒色が多くなりつつある。

レモンエゴマ
レモンエゴマと野生化したエゴマは外見だけでは判別が難しいと言われ、交雑もし易いようだ。そうした中でもレモンエゴマの苞は 果時には落ちるものが多く、萼には長い密毛が生え、葉裏は赤色をおびる事が多く、レモンの香りが漂うのが特徴という。
クヌギの殻斗
アキノノゲシは種子を飛ばし終わって残った総苞片が花のように見える。レモンエゴマは総苞が枯れて褐色になったのが目についた。
クヌギの殻斗や堅果が枯葉と共に多く落ちている。ブナ科の実はドングリと呼ばれるが、クヌギは大きく直径が約2cmのほぼ球形だ。 半分は椀型の殻斗につつまれている。殻斗のまわりにはたくさんの棘状になって反り返った鱗片が付くのが特徴だ。
ドングリは渋味が強いため、そのままでは食用にならない。去年の花が堅果になる2年成。

立冬の自生地模様はさいたま市市民活動サポートセンター田島ケ原サクラソウ自生地を守る会のホームページ からもご覧いただけます。

立冬(りっとう):2015年の立冬は4年に一度の8日でいつもより一日遅い。今年は文字通りの立冬でこの日からぐずついた空模様で気温 も低くなった。10日までは雨模様で太陽が顔を出したのは5日後だった。 2015年11月16日作成