二十四節気の夏至に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

何故か白い小さな蛾が愛おしくなりました

2019年6月22日(土)

2019年の夏至の6月22日朝は雲は多かったが明るい空が広がり、ニュースで報じられた前日の前橋豪雨などは別世界の出来事のようだった。
10時15分に家を出て自転車を走らせていると時折雨粒が当たるようだったが気にもせず自生地についた。
ノカラマツ
今日はノカラマツが全域で花を付けて いた。
ノカラマツの花と蕾
左上は花をいっぱいに付けたノカラマツ。右上は花と蕾のアップ。花は花弁は無く、萼も早落性のため殆どが雄しべと葯だけで黄色い 塊に見える。
ヨシが大きく伸び出しオギとハッキリ区別ができ、ノカンゾウやトモエソウの一日花が鮮やかだ。オカトラノオ属が全域で見られ、それ ぞれの場所で花穂の形、花びらの形、付き方が違い観察すると面白い。クサフジはA区で多く繁茂し、ハンゲショウが葉を白くし始めた。

自生地で11時半頃から本格的な降りになり、クヌギの下で傘を取り出した。その時小さな白い蛾が観察路の端に落ちてきた。まさに大粒 の雨に打たれて落ちてきたという表現がぴったりだった。
観察路の端に落ちた白い小さな蛾
雨宿り方々近くに咲いていたトモエソウを写して、蛾の居た辺りを見るとどこかに消えていた。
裾のたるみに入った蛾
何気なく足もとを見るとなんとズボンの裾のたるみに入っていた。雨は弱くなったと思ったらまた強くなってその繰り返しだった。
アメリカシロヒトリ
静かに歩いたつもりだったが気が付くといなくなっていた。自転車に戻っても雨は止まず大粒の雨の中桜環境センターに行った。
しばらく話をした後で「何かシャツに付いているよ」とはらってくれたのは何とくだんの蛾だった。ビックリしたが何となく愛おしい 気持ちになったのは妙だった。
アメリカシロヒトリかもしれないと思いながら、他の種類であってほしいと図鑑などを調べたが、やはり幼虫の大発生に驚いた アメリカシロヒトリだった。でも今回は何のご縁か自生地から大雨の中ズボンの裾の方から雨や危険を避けながら上の方に移動して桜環境センターまで一緒に 来られた事が嬉しかった。
ノジトラノオもどき
水たまりも出来た観察路
先ほどまではカラカラに乾いてひび割れていた観察路にあっと言う間に水たまりができてしまった。
オカトラノオ属の色々な花穂が見られる中で、ノジトラノオに近い花と花穂の個体も見られた。
ノカンゾウ
また今日はノカンゾウの季節がやってきた。 これから7月いっぱいは自生地の全域で見られる花だ。花の形からしてもユリ科のイメージが抜けないが、APG分類ではススキノ科またはワスレグサ科に含まれ ると書きながら自分にも確認している。
トモエソウ
オトギリソウ科のトモエソウもこれから長 く自生地を彩る。花が終わっても果実をつけ周囲が枯れ姿になっても自分も褐色に枯れてスックと立っている。
同じオトギリソウ科のビヨウヤナギやキンシバイは庭木や植え込みなどの栽培種としてよく見られるが、トモエソウは殆ど見られない。 育てやすいとは書いてあるが、湿地に生育する植物だけに必然的に野の花、自然界の花なのかもしれない。
でも、自然界では大きくてきれいで目立ちやすいので採取される事が多いのだろう。さいたま市の荒川左岸高水敷では見たことが無い。 埼玉カテゴリーでは2011年に絶滅危惧U類(VU)にランクアップされているが、園芸採取圧が要因とされている。
ハンゲショウ エビヅル
まだ花穂も小さいので白い部分も小さいハンゲショウ ブドウ科のつる性落葉高木で雌雄異株のエビヅル
クサノオウ ヤブジラミ
草の王とも黄とも記されるケシ科のクサノオウ 多くの花や実をつけているセリ科のヤブジラミ

夏至(げし):令和元年の夏至は22日だがその後はズーッと2055年まで21日。太陽が最も北寄りになり、北極では太陽が沈まず、南極では 太陽が現れない。2019年の夏至と冬至では日の出と日の入りの時間差が約6時間。 2019年6月28日作成