二十四節気の白露に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

桜草公園が他の都市公園と同じ管理方式なのに唖然

2025年9月7日(晴)

9時半ごろ着いた桜草公園の駐車場はこの頃にしては珍しく満車状態だった。
一作日は台風15号が大きく東にそれたものの余波の雨で降りこめられたが、今日は青空が広がった日曜日だ。でも相変わらずの猛暑はキツイ。

昨夜は2014年に発行された田島ヶ原サクラソウ自生地保存管理計画策定報告の佐々木会長の巻頭言を何気なく見てビックリした。
報告書
サクラソウ自生地に隣接して整備された桜草公園が、他の都市公園と何ら変わらない管理で今も進められていることに驚きを禁じ得ない。生態学では、一定の個体群の維持のためには周辺に多様な個体群存在の必要性、および周辺環境、緩衝帯の必要性がいわれ、状況に応じた順応的管理が当たり前になっている。
田島ヶ原サクラソウ自生地の保存管理警告策定にあたって 会長佐々木寧 (一部抜粋)

佐々木会長は何気なく書き出しているが「サクラソウ自生地に隣接して整備された桜草公園」これが桜草公園の成り立ちで、桜草公園の本質なのだ。
1952年に特別天然記念物に指定されたサクラソウ自生地を囲んで4年後の1956年に第一回さくら草まつりが行われた。この時は自生地の周囲は単なる荒れ地に過ぎなかった。
その後も毎年さくら草まつりは実施されるが、通常時は自生地もその周囲も不法投棄に悩まされ、荒れ地の公園化は次第に急がれるようになり、第8回のさくら草まつりからは会場を別所沼公園に移して工事を本格化したようだ。途中部分的なオープンは行われたようだが、桜草公園としての正式完成オープンは1984年12月になった。

この報告書が出された2014年もつるべ落としで株数が減っていましたが、何も手を打っていないので今年は調査開始以来最低の45万株に沈んでいます。佐々木会長の言葉はしっかり受け止めて実行せねばサクラソウの未来はありません。
全体ゾーニング
2001年の保護増殖実験調査事業報告書につけられた提案地図
25年後の今日になっても画餅のままです。何とか日の目を見せてやりたいと思います。

そろそろ帰ろうかと中央観察路を駐車場に向かおうとしたら大きなクモの巣に行く手を遮られた。
見るとジョロウグモだ。よく見るといつもは遠くにいる小さなオスがすぐ近くに居る。食べられちゃわないか心配になって良く見ると、メスは大きな獲物をゲットしていた。
これなら安心。
メスが食事中にゆっくり子作りに励んで下さいとその場を後にした。
ジョロウグモ

白露(はくろ): 白露とは天文学では一瞬を指すといわれ7日日曜日の17時51分とも言われる。朝の光に白く輝く露の事を、古の人は白露と表現したという 2025年10月1日作成