二十四節気の寒露に見る自生地
高茎植物は倒れ込み、観察路は冠水状態でした
2009年10月8日(木)
知多半島付近に上陸した台風18号は日本列島をほぼ縦断。さいたま市は直撃を免れたものの午前中はその余
波で雨風とも強かった。次第に青空がのぞいた13時過ぎに自生地に出かけた。
自生地に降りて行く途中から俯瞰すると、まだ時折強く吹く風にオギが白い穂をなびかせていました。強風
が吹き荒れたので空気が澄んで遠くの山並みも遠望できました
手前に見える2つの箱形は移動してあった簡易トイレ。その先は駐車場で車は全く見られません。
秋ヶ瀬公園に降りていく道路は途中で通行止めになっていて、多くの車が曲がったはいいが先に進めずUターンを余儀なくさ
れていた。その為駐車場は閑散。普段は駐車場の奥にある簡易式トイレが途中まで引き上げられていた。
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5メートルくらい先から冠水していました |
ユウガギクは健気に咲いていました |
駐車場側から観察路を見ると少し先から水に覆われているようで、用意の長靴に履き替えて進んだ。オギや
ヨシの高茎植物は風との戦いでダメージを受けているようにも見えたが、オギは余波の風に白い穂を揺らせていた。予想以上に水
がありすぐにくるぶし以上になり慎重に進んだ。
真中の十字路付近では20p位の水位があって前後左右の観察路は完全な水路に変身していた。これ以上は深
くはなるまいと尚直進すると長靴の上端近くまで水が来てしまった。鴨川方向も同じでいったん駐車場に戻った。
円内は上から自分の足元を写したもので、2本の白いズボンの先は長靴の最上部ですぐ下は水面です。もう
少しで長靴の中に浸水状態です。
公園側からBブロックとDブロックの間の観察路に入ると冠水していた先は水が無くなり十字路近くからまた冠
水していた。ヨシなどの枯れ枝が浮いているように見えたのは水が引いている所だった。
駐車場側からの観察路から十字路方面を望む。冠水した観察路には強風で折れたクヌギの枝なども落ちて
おり、枝などを避けながらそうっと歩きました。
しかし十字路以上には進めず、再度公園側からEブロック沿いの観察路を進んだ。ここはどこも冠水個所は
なく、鴨川べりまで普通に通行可能だった。鴨川沿いの通路も水没個所はなかった。
オギやアキノノゲシが観察路をふさいでいる個所が3〜4あったが、中にはもうクモが巣を張っていた所もあ
り驚きだった。
高茎植物がなぎ倒され、自生地の広がりが広く感じられる個所が多くなっていた。でも大きく育って太い茎のアキノノゲシは風に
も負けず青空に伸びていたり、多くの所で時折吹き抜ける強風にオギが白い穂を波打たせてもいた。
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たくさんのオギが頭を垂れていました |
一段と広がりを増した自生地 |
あれほど目に付いたツリー状に花穂を立てていたカナムグラの雄株が殆ど見られないのが不思議だったが、
よく見ると他の植物に倒れ込んでいたり、すっかり雄花を散らされて茎だけが残ったりしていた。お陰で花粉症のくしゃみも出な
かったのは快適だった。
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花粉の無いカナムグラ |
雌株に倒れ込む鉄葎の雄株 |
太陽に輝くチカラシバ |
今年非常に増えた気がする観察路脇のチカラシバが太陽を浴びて美しく輝いていた。普段はあまり好印象の
ない植物だが逆光での姿は神秘的な感じさえした。
寒露(かんろ):10月8日、まれに9日で、二十四節気では晩秋の入口。朝夕の冷気を感じ、野の露が冷たく感じ
られる頃