二十四節気の立夏に見る自生地
ヤエムグラが盛りで、ハナムグラは蕾のつき始めです
2010年5月5日(水)
5月5日こどもの日は二十四節気の立夏でもあったが、日中の気温は30℃くらいまで上がり完全な夏日だった。
旧志木街道堤防上のバラモンギクは8時40分くらいですでに閉じている花もあったが、カタバミは黄色の花
をいっぱいに咲かせていた。斜面ではアメリカフウロが薄紫の花をアチコチで咲かせ、ヘラオオバコも多くなりヤセウツボも花
らしからぬ花を付けていた。
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バラモンギクにヒラタアブ |
カタバミの花達 |
アメリカ風露にヒメウラナミジャノメ |
サクラソウ自生地ではスイバに加えオギも伸び始めて花の盛りを迎えた
チョウジソウも観察路に近いもの以外はナカナカ見難い感じだ。
チョウジソウは花の盛りを迎え自生地のアチコチで見られますが背丈競争が大変です
サクラソウは最盛期は過ぎているものの遅咲きの花は見られ、周囲に負けずに自分も活発に光合成をしよ
うと太陽を受け易いように葉を大きくしている。白花はだいぶすがれてはいるがそれでも3花がついている。
右下の円内は花の目の拡大です。中に小さな黄色い粒々が見えますが、小さくなった葯のようで短花柱花の
ように思えます。
たまたま八重のような裂片の多い個体が目に付いた。裂片は10枚で目の中には8個くらい小さな黄色いもの
が見える。花は少しすがれているようで小さくなった葯のようにみえる。とすると以前の重裂の2花と違って短花柱花なのだろう。
あれほど隆盛を誇ったノウルシもかなり目立たなくなり一部では例のイボイボの付いた実がたくさん見ら
れて面白い。ヒロハハナヤスリは他の草の中に沈んだようになってしまったがよく見るとヤスリは少し黄土色を帯び胞子を飛ば
す用意をしているようだ。肉眼ではなかなか分かり難いがトダスゲは白い雌しべを伸ばしている。
アマドコロは先端を6裂させ緑色の部分を開いている。クララがようやく伸び出し、カラスウリの葉芽はピ
ンクの軟らかい花のようで面白い。ハナウドも小さい花の大きな花序をつけている。
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桜草の花と葉の大きさに注目 |
セリ科のハナウド |
満艦飾のキク科のオニタビラコ |
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イボイボが特徴のノウルシの刮ハ |
柱頭が伸び出したタンポポ |
ユリ科のアマドコロは先端が6裂 |
ミミナグサが花盛りで白い小さな花を
つけている。花盛りと云ってもこの花は太陽が出ないと開かず、咲いても
オランダミミナグサのようにまとまっては花をつけない。疎らに咲いて時間によって数が違う、まったく雑草然とした植
物だが花期は少し遅いようだ。
円内は拡大した花です。ナデシコ科の花で花弁の長さは5ミリ程と小さくてよく見ると可愛い花です。裂片の
先が切れ込むのはミミナグサの仲間の特徴です。
でも明治末年に横浜で発見されたオランダミミナグサに圧倒され少なくなっている日本の在来種だ。
外来種などに負けるな「頑張れ!!」と真剣に応援したくなる。
ヤエムグラは荒川河川敷でも花
の盛りだったがB区の観察路沿いでも地味だが多くの花をつけていた。同じ属の花つきのいいハナムグラはやっと蕾を持ち始めた
ところだ。
ハナムグラは自生地には多く5月下旬に花の最盛
期を迎える。
ヤエムグラはアカネ科ヤエムグラ属で、アサ科のカナムグラとは花期などまったく異なる。似ているのは
全草に刺があり何にでも絡みつき伸びていく事だ。
ヤエムグラは夏には枯れているので秋には見られない事から有名な恵慶法師の「八重葎 しげれる宿の さ
びしきに 人こそ見えね 秋は来にけり」(小倉百人一首) のヤエムグラはアサ科の
カナムグラと云われている。
立夏(りっか):5月5日頃、この日から夏が始まり立秋(8月8日頃)の前日までの約3ヶ月が夏。夏の最初の節
気のこの頃には新緑が薫り、爽やかな風が吹き抜ける。