二十四節気の小満に見る自生地

自生地はハナムグラが花をつけ、草木が勢いよく生長中

2010年5月21日(金)

自生地
小満の21日さいたま市は前日からの雨は夜半に止み朝から青空が広がって最高気温は前日比9℃アップの 31℃の真夏日になった。
左の写真はクリックすると4月20日の特別天然記念物碑の周囲の写真が表示されます
自生地を俯瞰するとオギやヨシが伸びてスイバが終りかけているので一面の緑色に見え、特別天然記念物 の碑の半分以上がオギなどに隠れてしまった。

絶滅危惧IB類(EN)のアカネ科のハナム グラは自生地全域に点在しているが、早咲きのEブロックの花達が開いている。ここは日当りがいいせいだろうか径2oくら いの小さな白い花をいっぱいに付けている。同じヤエムグラ属のヤエムグラはすでに花が終り多くは双子の果実だ。
同じ絶滅危惧IB類(EN) のセリ科のエキ サイゼリは花はほぼ終って、多くの小さな果実をつけている。
ハナムグラ エキサイゼリ
左上の円内はヤエムグラの2分果 エキサイゼリの果実は熟しても緑色のまま
ウマノスズクサ クララ
左下は4月3日の芽生え 右上は9年5月27日の蕾 左上は9年6月18日撮影のクララの花序
3月末頃から面白い形の芽生えが見られた ウマノスズクサは前回見た時にはキツネアザミより上に伸びてしまい、さてこれからどうしようと思案投げ首の風情だった が今回は竹を立て懸けてもらって安心して空目指して伸び始めていた。
6月中旬には花ではない様な花をつけ、名前も在来種とはとても思えないマメ科の クララも花芽らしきをつけ始めて6月が楽しみだ。

4月3日に見つけ14日の朝に花が落ちた10裂 のサクラソウは子房も2つあって受粉しているのか楽しみに観察していたが、枯れ始めたようで非常に残念だ。
鴨川べりのモクセイ科のイボタノキはまだ蕾が圧倒的だが一部花開き始めていた。虫がかなり来ていたので名の由来というイボ タロウムシかと思ったが違うようだった。
ニシキギ科のマユミも8ミリくらいの淡緑色の花をまばらにつけていた。秋に赤い種子をのぞかせる刮ハの 華やかさからは想像もできない地味な花だ。
サクラソウ子房 イボタノキ マユミ
茶色く変色した子房 咲き始めたイボタノキ マユミは実や種が派手です

ニワゼキショウ
自生地の周囲、特に第2駐車場ではニワゼキショウが群生し始めていた。花茎1.5pくらいの白花と赤紫の 花が群生している光景は素晴らしい。でもこの花がアヤメ科というのはすんなりとは信じ難い。

自然の中でも赤紫の花より白い花が大きく見えますが、単なる目の錯覚でしょうか?

主な違いはアヤメ科は子房が下位雄しべは3、そして雌し べの柱頭は3裂する。それに対しユリ科は子房が上位で雄しべは6,そして雌しべの柱頭は殆どが裂けない。
以上が ユリ科ではなくアヤメ科の証拠という。
ニワゼキショウ子房 ニワゼキショウシベ ニワゼキショウ枯れ姿
花筒の下の緑のポッチが子房 花弁を除いた雄しべと雌しべ 花弁の一つひとつが丸まった枯姿

小満(しょうまん):5月21日頃、万物が成長して草木も生長し、天地に陽気が満ち始める頃というが、今年の 小満は陽気が満ち溢れ過ぎて真夏日になってしまった。そして麦が実りの時を迎え紅花が咲く頃。