二十四節気の白露に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
秋にはスズメバチの被害が多いので要注意です
2010年9月8日(水)
今朝は5時15分頃家を出ようとしたら、ポツンと当たるものがあった。雨の筈はないと思ったが確かめるとやは
り雨粒だった。
台風9号の影響で夕方ころからは雨の予報だったが少し早すぎる。まだ薄暗い空を見上げると雲は切れていそう
だ。ままよと普段は嫌いな帽子をかぶって出かけた。途中には降っていないような所もあった。でも荒川土手に上がった頃には又落
ちて来始めた。
昭和田圃を一周してからサクラソウ自生地に行くつもりだったが、少し心配になり自生地に直行した。
朝の明るさはなく、駐車場には1台の車もなくて何となくうら寂しい感じだった。そんな中でA区に群生してい
たセンニンソウの白さがひと際鮮やかで、観察路のアチコチでもいよいよ
センニンソウの季節到来だ。
観察路は手を加えずなるべく自然のままにしておくようにとの指導があったようで、このところヨシやオギが
倒れかかり先が見通せない観察路だった。
とにかく先が見えないのは心細いし危険だ。うっかりスズメバチ等を払ってしまったり、飛んでいるのも見通
せない。自生地に来るのが何となく億劫になっていたが、先日から倒れ込みが無くなり本来の観察路に戻った。
駐車場側からの入口から中央まで見通せ、明るい感じです
観察路というとよくひび割れし易いが、少し雨が降るとぬかるみやすい。田圃(乾田)によく似ている。以前
定期的に氾濫した土砂が堆積して次々と積み重なってきた結果なのだろうか。
ユウガギクにはコアオハナムグリが来ていますが、右のキクイモの円内は花の中心。白く見えるのはハナ
グモで、こちらはじっと獲物のくるのを待っている必殺仕掛人
観察路の両側には色々なツル草が実を付けたり花を付ているが暗くて手振れしそうだった。少しでも明るい方
にと鴨川べりに出るとキクイモがひときわ高く黄色い花をつけ、バラ科の
キンミズヒキ、ユウガギク、
ツルマメなどが群生していた。
でも一ヶ月以上雨がなかったせいかどれもあまり生気が感じられなかった。
今日の雨は生物たちにとっては恵みの雨だったが、少し降るのが早すぎて早々に引き揚げざるを得なかった。
5日には8時頃自生地に来たが、E区のクヌギの下で白い捕虫網を使っている人がいた。何を捕っているのか近づ
いてみるとオオスズメバチでビックリした。大きな枝を切り落とした生木の所から出る樹液に集まるオオスズメバチを巧みな網さば
きで捕っていた。
左の写真はスズメバチは一匹飛んできただけで、ゴマダラチョウ3匹とサトキマダラヒカゲがしきりに切り口の
周囲を動き回っていました
足元の平たい瓶には捕獲したオオスズメバチがうごめいていた。プロのようで道満でもアチコチに”スズメバ
チ注意”の看板を立ててもらったけどここにも少なくとも2~3ヶ所は巣がありそうだと言っていた。
スズメバチの被害は秋に多いのでこれからは注意が必要だ。誕生したばかりの新女王蜂を守るために
非常に敏感になっているからという。たくさん飛んでいる所は避けて、ウッカリ巣に近づいてしまった時には慌てず静かに後ず
さりするのが一番という。黒いものや動くものに敏感で強い匂いの整髪料や香水も禁物だ。
万一刺されてしまったら素早く逃げる必要がある。スズメバチは敵を仲間に知らせる液も吹きかけるの
で危険という。遠ざかって患部の毒を押し出し水で洗って冷やしながらお医者さんに行くのがよく、刺された時口で患部の毒を吸い
出すのは絶対にしてはいけないという。
先日から自生地の5~6ヶ所にヨシを四角く刈った所があるが、サクラソウを種子から発芽させようとの試みの
ようだ。種子から生長させるのはナカナカ難しいようだが、花粉を媒介するポリネーターがほとんどいない現状ではサクラソウを健
全に育てるあらゆる方法を模索して欲しいと思う。
白露(はくろ):9月7日頃というが今年は8日。野の草に白い露がビッシリ付く頃で例年なら朝夕の涼しさにそこは
かとない秋を感じる頃だが、今年は猛暑に少雨で今日の台風9号が過ぎた後、ようやく少し秋らしくなるかも。