二十四節気の処暑に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

コバギボウシが満開でセンニンソウが咲き始めました

2011年8月23日(火)

猛暑の後に急に気温が下がって最高気温と最低気温が同じくらいの22〜4℃の日が2〜3日続き今日の午後からは急に暑さが戻った。
午前中は自生地のパンフレット作成会議で1時30分頃帰宅。昼食後自生地に2時30分くらいに着いた時はそれこそ汗びっしょりだった。

8日の立秋以来の自生地は駐車場側から入った観察路際でコバギボウシが迎えてくれた。
花は自生地全域で見られたが、やはりE区とD区の群生は大きく咲き乱れているという表現がぴったりだった。少し盛りを過ぎた感じはあるが紫色の筋が入った横向きの花は十分に美しかった。
コバギボウシ群生 コバギボウシ
咲き乱れるコバギボウシ 雌しべと雄しべは長さが違います
花は下から咲き昇る一日花でたくさんの蕾が見られるが、蕾の形が橋の欄干に付いている擬宝珠(ぎぼし)に似るのが名の由来という。江戸時代に園芸品の栽培がはやりそれがヨーロッパに渡って多くの園芸品種が育成されたという。

D区とE区の間の観察路を入ってすぐの所で一花のセンニンソウを見つけた。今年初めてでいとおしい様な気持ちになって進んで行くとなんとたくさんの蕾と花が次々に出現した。いよいよセンニンソウの季節到来だ。
センニンソウ群生
センニンソウ一輪 ヤブガラシも
センニンソウ ヤブガラシも
これからD区の柵の上を真っ白に覆い尽くすくらいに繁茂する。コガネムシ科のコアオハナムグリも早速来ていた。近くにはヤブガラシが大きな散房花序を広げ、 ヘクソカズラも花を付け始めた。

キキョウ科のバアソブは小さな釣鐘型の花を落として、萼を花弁のように広げていた。ガガイモ科のコカモメヅルは午後だというのにオギの陰のエアーポケットのような所で花を開いていた。近くにはあでやかな色の ツルフジバカマが花をつけ晩夏を告げていた。
コカモメヅル ツルフジバカマ ユウガギク
コカモメヅル ツルフジバカマ ユウガギク
キンミズヒキはますます増えて鴨川側ではもう盟主気取りだ。すべての観察路の縁側に生えるユウガギクはかなり多くはなってきたがシーズンはまだ先だ。

ウマノスズクサは相変わらずたくさんの花をつけている。実が一つでもついていないか探していたらキタテハが飛んできた。でもアチコチ飛び回ってナカナカ写させてくれない。ようやく止まったと思ったら今度は動かなくなってしまった。
キタテハ キタテハ
黒斑の中の水色の点がみえます 裏は枯葉色で保護色なのでしょうか
キタテハは翅を立てて止まる事が多いタテハチョウの一種。翅の縁の突起が尖り、後ろ翅の黒斑の中に水色の小さな点があるのがよく似たシータテハとの見分け点。初夏に生まれる夏型と秋に生まれ成虫で越冬する秋型があり、秋型は早春に咲くサクラソウの花粉の媒介をしてくれるのではとの期待が一部にあるようだ。

キクイモにハナグモ
キクイモの蕾 クロウリハムシ
キクイモの蕾 ウリの害虫のクロウリハムシ
右はキクイモの花の中心のアップです。若草色に白い背がハナグモで、このクモは網を張らずこのように花の中で待ち伏せして昆虫を捕えます
鴨川べりではキクイモが面白い形の蕾を付けているのが多く見られた。花は一輪だけだったが、アップしてみるとハナグモが飛んでくる昆虫を待ち伏せていた。平和に見える花の中も虫にとっては戦場だ。
小さな艶のある黒い虫が目に付いた。クロウリハムシだ。体長6〜7oで、幼虫はウリなどの根を食べ成虫はウリやダイズの葉やカラスウリを食べるようだ。

処暑(しょしょ):8月23日頃、通常は暑さがようやく和らぎ始める頃といわれるが今年はすべてが異常。立秋の後記録的な猛暑が続き、20日頃から急に涼しくなって処暑の今日はまた暑さが戻ったようだ。