二十四節気の大雪に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
自生地は昆虫など生き物の気配がほとんど無くなりました
2011年12月7日(水)
昨日の多磨霊園は曇り空にもかかわらず無風とあって寒さを感じず、最高の紅葉が楽しめた。でも横浜に移っ
た午後からは雨模様になり気温も下がり肌寒くなってしまった。
しかし今日は朝からは青空が広がり大雪とは思えない暖かさだった。桜の紅葉もそろそろ終わりで葉をつけな
い枝が目立つようになった。鴻沼川河畔の桜並木では広がった枝の剪定作業が行われていた。
左は鴻沼川沿いの秋ヶ瀬緑道の桜並木。一時は遊歩道上には毎日落葉がいっぱいでしたがそれも一段落したよ
うです。
田島ヶ原サクラソウ自生地はいよいよ枯野原の様相が濃くなり、昆虫もほとんど見られなくなった。昨日の雨
で観察路の一部には水溜りが残り、表面は濡れている感じだったが、靴底にくっついて歩き難いような事は無かった。
自生地内で緑色が見られるのはほとんどがセンニンソウの葉だが他の植物が枯姿のこの時期に葉を茂らせて光
合成を行い根に栄養を蓄えるから見事なほど多くの花を付けられるのだろうか。切ってしまったクヌギの近くのセンニンソウは病気
のようでアチコチに白い毛が汚らしくかたまっていたが、これも少なくなってきた。
花はほとんど終わっていたがノコンギクがまだ咲き残っていた。今日はハッキリと冠毛の長いのが確認できた
のでノコンギクに間違いない。
キク科シオン属の多年草で、図鑑によると山野のいたるところにふつうに見られるとあるが荒川河川敷には少
ない。茎は多くの枝を分け茎にも葉にも短毛が密生し、茎葉は3脈が目立ち、縁には大きな鋸歯がまばらにあるのが特徴だ。そして
非常に多くの変種や品種があるという。
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花はほとんど終わりですが、枝先に密集します |
一番上の頭果は長い冠毛が見えます |
公園側の自生地周辺樹のトベラが赤い種子をのぞかせていた。
トベラ科の常緑低木で雌雄異株という。4〜6月に芳香のある白い花を咲かせる。刮ハは」直径1〜1.5cmの球形
で灰褐色に熟して3裂し粘液質の赤い種子を出す。枝や葉に臭気があるので節分に戸口にさした事から「扉の木」とか「扉」とも呼
ばれたという。
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花は直径2p、古くなると黄色くなる 11年5月20日 |
トベラの赤い種子は長さ7mmほど |
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花は直径8oで小さいが多くつく 10年5月29日 |
マユミの赤い種子は仮種皮に包まれる |
鴨川側ではマユミも赤い種子を見せていたがこちらはもうだいぶ少なくなった。
ニシキギ科の落葉小高木でやはり雌雄異株。5〜6月に直径8oくらいの淡緑色の花を疎らに開く。刮ハは約1p
くらいの4角形で淡紅色に熟すと4つに裂けて赤い仮種皮に包まれた種子を出す。
刮ハをつけ赤い種子を出すのは同じだが正確には違う。種子はかたや粘液質でかたや仮種皮に包まれ
ているという微妙な違いがある。
刮ハ:複数の心皮で子房ができて、その数に合わせて果被が裂けて種子を出す果実
仮種皮:種子を包む胚珠の柄や胎座の一部が発達してできた付属物(種子がゼリー状の中にありそれを包む皮)
E区の奥のクヌギなどが生えている所に大きな倒木があった。
初めて見るが葉は枯れているようなのでかなり前に倒れたものらしい。11月23日にも見た筈だが気が付かなかった。
でも葉の枯れようから見るとこの半月の間に倒れたとはとても考えられない。
一体いつどうして倒れたのだろう。根元近くをアチコチから撮ってみたが自然に倒れたのか人為的なものなの
かがハッキリしない。謎の倒木だった。
大雪(大雪):12月7日頃、北国からは雪の便りが聞かれ本格的な冬の訪れを迎えるというが、今年の7日は青
空が広がり暖かい一日だった。でも翌8日にはいっぺんに寒くなり初雪が観測された所も多かったようだ。毎日健康のための標語
が書かれているカレンダーの7日の項は「自分を笑えるおおらかさ」だった。寒くとも身も心もおおらかに持ちたいものだ。