二十四節気の冬至に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
自生地は枯野の世界でも鴨川べりは緑が息づいています
2011年12月22日(木)
冬至は太陽が一番衰える日でこの日を境にまた日が長くなる一陽来復の日とも言われる。
さいたま市の日の出は6時48分だったようだが雨戸を開けても空は雲に覆われて薄ぼんやりしたいかにも寒そ
うな朝だった。ちなみに日の入りは16時31分で一日の内のいわゆる昼間は約40%だ。西の空が薄い茜色に染まった夕景は穏やかだっ
た。
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遠目には水門とは思えない昭和水門 |
定点から望む田島ヶ原サクラソウ自生地 |
秋ヶ瀬緑道から自生地方面に進むとすぐに四角い顔のロボットが横に4人並んだような昭和水門が見えてくる。
鴨川の流れを制御している水門だが遠目にはとてもそうは見えない。でもさくら草橋の交差点まで来るとさすがに巨大さを感じる。
定点から自生地を俯瞰すると一層黄土色が深まった感じで、オギの穂はますます枯れて瑞々しさが無くなり無
機質の白さが目立つようになった。
10時30分頃になっても観察路の一部では薄氷が見られ、日中は時折薄日が漏れたが太陽は殆ど雲の中で気温はあまり上がらなかっ
た。でも、風がないので体感温度はそう低くはなかった。
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エゾノギシギシの巨大なロゼット |
紅葉したユキヤナギに花が |
鴨川べりは枯姿の自生地とクコの新鮮な緑が川べりを埋め尽くした鴨川の景色が対照的だった。
堤防途中の平面に下りてみると周囲は枯草で何も太陽光を遮るものがない所にエゾノギシギシが直径1メートル
もありそうな大きなロゼットを作っていたり、ヒガンバナが濃い緑の葉を茂らせていた。堤防のセイタカアワダチソウの群生と同様
この時期に太陽光を独り占めにできる植物は強い。
公園側の自生地周囲のトベラの実はたくさん付いていたが最盛期は過ぎたようだ。トウネズミモチのネズミの
糞のような実は去年よりかなり少ない。
自生地内ではハンノキはようやく葉を落とし枝先には雄花序が垂れ下がり付け根には小さな雌花序がついてい
る、それより元に近い所には葉が入っている側芽が見えた。
クヌギの冬芽は、よ〜く見ると芽鱗の縁に灰色の毛が密生しているが、これが特徴らしい。
第2駐車場側のA区の柵の内側に赤いたくさんの実を見つけた。
試みに一つつぶしてみるとまっ赤なゼリー状の中から種が一つ出てきた。赤いどろどろの液は指の先をビック
リするほど真っ赤にした。この時期に鳥も食べずに残っているのは有毒だからと思ったほどだった。
調べてみるとガマズミのような気もしたが、はたして何なのか葉が出てくる来春のお楽しみだ。でもガマズミ
なら核果でヒヨドリが好んで食べるといい、有毒どころか美味しいし、薬効もあるようだ。
冬至(とうじ):12月22日頃、二十四節気の第22で、後は一番寒いと言われる小寒と大寒の2節気のみだ。日本で
はこの日にゆず湯に入り、冬至がゆ(小豆がゆ)やカボチャを食べると風邪をひかないと言われている。