二十四節気の白露に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

同じ苞葉から2花伸び出したツユクサは3花ありました

2012年9月7日(金)

白露の朝の上空は青く澄んで白い半月が見られたが、東の空には雲が多く、太陽は6時少し前、さくら草橋交 差点あたりでようやく顔を出した。
ジャコウアゲハの蛹のお菊虫が増えているのを期待しながら、幼虫も見たいしあわよくば羽化したジャコウアゲ ハに対面できればと夢を膨らませた。でも残念ながら、29日に見つけたお菊虫と終齡に近い幼虫が見られただけだった。お菊虫は外皮が 乾燥し一層蛹らしくなって、いつ羽化するのか楽しみだ。
ジャコウアゲハの幼虫 ジャコウアゲハの蛹
ジャコウアゲハの終齡に近い幼虫 首のあたりに紐がかかっているのが妙です

センニンソウ群生
自生地ではセンニンソウの白い花の群生が目立つようにな った。
センニンソウは咲きだすと葉や茎を覆い隠して白い群落を作るのでその事ばかりに目を奪われてしまう。
センニンソウの花々
葉は対生し小葉が3〜7個つく羽状複葉で、小花柄で他のものに絡みつく事や、一つひとつの花の特徴などはつい つい見逃しがちだ。
白色の花弁に見えるのは萼片で、雄しべは多数で花糸も葯も細い。雌しべも多く子房は細長く花柱には細毛があ り、果期には羽毛状になり3pくらいに伸びる。
センニンソウ属(クレマチス)には大きな花で園芸用にも品種改良されている中国原産のテッセンや準絶滅危惧 (NT)のカザグルマなどがある。

ツユクサ
ツユクサもコバルトブルーの花が多く見られるようになったので、同じ苞葉から縦に2花咲いている花を探してみ た。案外少なくて3花だけだった。現場では細かく確認せずただ雄しべ、雌しべがハッキリ見える角度で撮影した。
パソコンで見ると、定説通り上は雌しべの無い雄花で下は両方がある両性花だった。
3枚の花弁の内、白い花弁は小さくて目立たないというが上の花の長い雄しべの間に見える細い紡錘形のようなの が3枚目の花弁でその周りの円く透明なのは萼だ。
詳細は花インデックスの ツユクサ参照

ツルマメの小さな赤紫の花や、ヤブツルアズキのカタツムリのような黄色い花が多く見られ、地味なヒナタイノ コズチが緑色の花穂を立てているのも全域で見られた。
鴨川縁ではキクイモが最盛期を迎え、B区の公園寄りではフジバカマがクマリンの芳香を漂わせていた。
ヤブツルアズキ ヒナタイノコズチ フジバカマ
ヤブツルアズキ ヒナタイノコズチ フジバカマ

カタツムリ
このところ毎日にわか雨があるせいか、カタツムリが多く見られた。
先日読んだ自然に学んだテクノロジーに、省資源でキレイ・快適を保つためにカタツムリの殻がいつもきれいな 事を応用したとあった。
カタツムリの殻は非常に細かい溝に水を貯めて汚れを寄せ付けない仕組みになっていて、これを応用していつで もきれいな外壁タイルやシンク(流し台)やトイレの材料が作られているという。
これには正直ビックリした。カタツムリの殻が常にきれいな事すら初めて知ったのでは何をかいわんやだ。

白露(はくろ):この頃から野草の露が白く見られ、蝉の声に変わって虫の声が主流になって秋が深まっていく。俳 句では花野は秋の季語というが、刈取りが終わった田んぼや休耕田に咲く花もこれからが旬だ。
第四十三候 草の露白し。陰陽5行思想では秋は白を司る。第四十四候 鶺鴒が鳴く。冬に備えて木の実をついばむ小鳥の声が賑や かになる。第四十五候 玄鳥去る。子育てを終えた燕が南へ飛び去る。