二十四節気の小雪に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
観察路の柵に多くのおにぎりが置かれていました
2012年11月22日(木)
志木街道のバス停近辺からサクラソウ自生地を望む。右後方には真っ白な富士山も見えます。2012年11月21日撮影
北海道からは雪の便りが聞かれたが、さいたま市は曇りがちだったものの無風の暖かな1日だった。
22日は家を空けられなかったので自生地の観察は前日に済ませておいた。21日は風が強かったが青空が広がり雪を頂いた富士山が遠望で
き、街道から俯瞰したサクラソウ自生地はオギなどの穂波が銀色に輝き、初冬の趣を濃くしていた。
観察路の両側を彩っていたユウガギクは花が少なくなり、冠毛がごく短い痩果が多くみられる。オギやヨシは葉を
落とした枯色の茎が目立つようになり、奥のほうまで見通せるようになった。
今年はあちこちにオギやヨシをかき分けて中に入ったような所が多いように感じる。不届き者がいるのだろうか。
不届き者といえば不思議なことに中央観察路の柵の上に小さなおにぎりが置かれていた。表面は固くなって2〜3日
前に置かれたものらしいが全部で9個もあった。いたずらにしては多すぎるし何かのおまじないかとも思ったが、猫の餌にでもなったら
困るので集めてきた。
前方の観察路に小鳥が舞い降りた。今日自生で出会う初めての生き物で、雀ではなさそうなので望遠をいっぱいに
効かせて撮ってみた。
帰ってパソコンに移してみるとアオジが草の実をついばんでいるところだった。アオジはホオジロ科の漂鳥で黄色
のお腹と緑灰色の頭が特徴だ。
コメナモミをはじめアキノノゲシ、カナムグラ、キンミズヒキ、レモンエゴマなどのヒッツキ虫はオギの白い小穂
に取りつかれて別人のようになっているのも見られる。自分が動物などについて種子を運ぶのにくっつかれてしまっては万事休すだ。
ヤブツルアズキ、ツルマメ、ヤブマメの豆果はすでに種子を飛ばし終わったものが多く褐色のよじれた殻が多くな
った。ノブドウ、スズメウリの白い液果がますます目立つようになり、ノブドウは熟して赤や青になっているのはほんのわずかだ。
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観察路両側のヨシやオギ |
オギにとり付かれたコメナモミ |
7〜8pのヤブツルアズキの豆果 |
小雪(しょうせつ):11月22日頃。立冬に始まる冬がそろそろ北国からは雪の便りが聞かれる頃。今年の小雪は雲は
多かったものの無風で暖かな一日だった。
第五十八候 虹蔵(かく)れて見えず。陽気が衰え雨上がりの虹も見えなくなる。第五十九候
朔風(きたかぜ)木の葉を払う。第六十候 橘始めて黄ばむ。橘が黄葉し始めこの頃から柑橘類の黄色も目立ち始める。