二十四節気の清明に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

桜もまだ見頃で自生地は多くの人が訪れていました

2013年4月5日(金)

今年の清明の5日は朝方は雲が一面に広がっていたが、青空が次第に広がり気温は21℃くらいまで上がって無風で暖かく、桜草公園 の桜はまだ見頃で、自生地も年配の婦人グループなど多くの人で賑わっていた。
4月2日から開始予定の田島ケ原サクラソウ自生地を守る会の活動は強風雨で2日間中止され4日から始まった。
自生地 自生地
D区の自生地と公園の桜を遠望 B区の自生地と駐車場の桜

池のようなE区
自生地の中でも一番低地のE区の旧井戸のある辺りは2日間の雨ですっかり水没していた。
水中から伸びているアカメヤナギは名の通りの赤みがかった葉を伸ばし始めよく見ると花穂も立てていた。

自生地の中ではここが一番低地で大雨が降ると池のようになる。でも少し晴天が続けばすぐに水はひいて春の今頃はヒロハハナヤ スリやエキサイゼリの宝庫だ。写真の左の木がアカメヤナギ、雌株なので5月中旬ころには真綿のような柳絮を飛ばし木の下は淡雪が積もったようになる。

ヒキノカサが増え、ミツバツチグリも咲いて、アマドコロも蕾をつけている。驚いたことにチョウジソウがもう紫色の蕾を持ってい た。いつもは4月25日過ぎに咲く花が来週には開花しそうな勢いだ。
サクラソウ チョウジソウ ノウルシ
4裂片のサクラソウ 蕾の見えるチョウジソウ 杯状花序のノウルシ
アマドコロ アカメヤナギ ヒキノカサ
開きそうなアマドコロ アカメヤナギの雌花序 キンポウゲ科のヒキノカサ

テント
6,7日2日間は台風並の強風雨に見舞われるとニュースでもトップで喧伝され、無用の外出は控えるように繰り返し放送されていた。
このため6日、7日のボランティア活動は再度中止され、16時半ころから業者がテントの脚をたたみ屋根部分を重しに固定して万全 を期した。
昨年も3〜4日にかけて大荒れの天気で、ボランティア活動が中止だったが、今年は2〜3日に続き2度目でその上土日にかけてという のはなんとも意地が悪い。

4月6日(土)は朝方一時通り雨のようなにわか雨があった後は雲は多いものの風もなく穏やかな天候だった。予報もさいたま市は午 後から雨だったので自生地に出かけてみた。
浦和ガイド会のグループを待ちながら曇で花の色が自然に写せるチャンスと思いサクラソウをアップで撮影してみた。
12時から約50分間。中央観察路から北観察路を公園に向かい南観察路を折り返して中央観察路まで戻り、北観察路を鴨川に向かっ て撮影した。
長花柱花 短花柱花
柱頭がピンのように見える長花柱花(ピンの目) 葯が糸屑のように見える短花柱花(スラムの目)
等花柱花 長花柱花のデベ
柱頭と葯が同じ長さに見える等花柱花 長花柱花の柱頭が飛び出している花
合計51花中長花柱花25、短花柱花20、不明(等花柱花)6で49%、39%、12%の割合だった。中央観察路では圧倒的 に長花柱花が多かったが、後半短花柱花が多く総体的には上記の結果だった。
去年の4月28日に錦乃原桜草園で調べた結果は極端で、30日に自生地でも調べてみるとその時は長花柱花25、短花柱花31、不明26だっ たが、シーズンも終わりに近く花もすがれかけていたのを無理に調査したきらいがあった。

4月7日は晴天になったものの関東一円風速25mくらいの強風が吹き荒れ、埼京線の赤羽大宮間で一時運転が中止されていた。
昨夜の雨はかなり強かったようで駐車場側からの中央観察路は途中から水没し中央付近は完全に水に覆われていた。北観察路の公園 側も水浸しで入れず、わずかに南観察路だけが無事だった。
2日、3日の雨で池のようになっていたE区は旧井戸のある公園側はもちろん鴨川側の方も池状になっていた。そしてA区もあちこち に水たまりが見られ尾瀬ケ原のような状況で、水没しているサクラソウがかなり見られた。
そんな中でも気温は25℃まで上がり夏日を記録したようだ。もうアマドコロが花を咲かせて、自生地全体がかなり黄色く 見えるようになったが、オギの成長が極端に早いように見え、桜草公園の桜は見事なくらい散り急いでいる。

清明(せいめい):4月4日頃、今年は5日。今年は2〜3日と6〜7日の2つの春の嵐の谷間の穏やかな春の日だった。