二十四節気の立夏に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

まさに夏の到来を思わせる陽射しの暑い立夏でした

2013年5月5日(日)

石碑と自生地"/
2013年の立夏は暑いくらいの夏の陽射しが降り注いでいた。
こどもの日と日曜日の重なった好天の自生地では植物同好会らしき小グループが細かく観察したり、夫婦連れなどが観察や散歩を楽 しんでいた。
このところほとんど雨らしい雨が無く自生地は乾燥化して、オギの葉先が枯れかけているようなのも見られるのはチョット心配。
でも希少種たちは元気だ。トダスゲ は果苞が大きくなり、エキサイゼリの花が見られ、 レンリソウは蕾も多く当分楽しめそうだ。
レンリソウ
4月28日に一輪咲いたマメ科のレンリソウは2〜3株が花をつけて、周囲には多くの蕾が見られる。
レンリソウの名の由来はロマンチックだ。対生している小葉が一つの葉のようにつながっているのを連理の枝になぞらえた。 連理の枝は幹は別々の木でありながら枝が連なって一本になるという中国の伝説からで、男女の深い契りの象徴とされている。
レンリソウは埼玉カテゴリーでは絶滅危惧TB類(EN)のマメ科の多年草。

セリ科の大小を代表するような2種が花をつけている。一つは大形の多年草のハナウド。ウドは春の山菜としておなじみのウコギ科 の多年草だが、ハナウドはウドより花が美しいので名がつけられた。
小さな白い花が傘状に集まりそれがたくさん集まってより大きな傘型になる複散形花序をつくる。外側の花が大きいのが特徴。主に主軸 の花序だけが結実し、側枝に付いた花序は実をつけない。
ハナウド エキサイゼリ
茎は中空で、花序の外側の花は大きく、2深裂する 小さな複散形花序に花をつけるエキサイゼリ
エキサイゼリは同じセリ科でも草全体が小さく花序も小さい。肉眼では花が咲いているのをやっと確認できる大きさだ。
和名の益斎芹は越中富山藩主の前田利保が採取したエキサイゼリを画家に描かせた事からで、利保の号の益斎から名付けた。

クサノオウ
鴨川沿いの柵の近くにケシ科のクサノオウが線形の若い刮ハを立てていた。刮ハは約3.5pで果柄と同じくらいの長さだ。中には多く の種子ができそうだが、結実率は低いようだ。できた種子にはエライオソームがつきアリによって運ばれる。
鮮黄色の花は直径約2p、花弁4に多数の雄しべがついて中に太く曲がった雌しべが見える。2枚の毛の多い萼は開花と同時に落ちるの で見られることは少ない。
漢字表記は茎などを切ると黄色い乳液を出すので草の黄、この乳液は鎮痛に効があり皮膚病に効くので瘡(くさ)の王とか薬草の王 様のようだから草の王と諸説がある。

活動最終日に居合わせたメンバーに毎月の1日に全く自由参加の自主観察会を提案しておいたら、天候が良かった5月1日は3人での第1 回観察会になった。
5月2日の12時過ぎにお菊虫が羽化していたという。まさか昼間にとは思わなかったが、ジャコウアゲハは羽が乾く16時くらいまでその場に居たという。知ら された人は大喜びでカメラの順番待ちができたようだ。

立夏(りっか):5月5日頃、2013年5月5日の立夏はこどもの日が日曜と重なり、文字通りの夏の到来になった。今年のG.W.は4月が3日間、 5月が4連続となり、天候にも恵まれて大型連休になった。