二十四節気の芒種に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

自生地は乾燥し切ってヨシやオギは元気がありません

2013年6月5日(水)

ノカラマツ
5月29日に気象庁は関東甲信地方が梅雨入りしたらしいと発表しました。これは観測史上3番目の早さだったようです。でもその後は はかばしい雨が無く今日の芒種もさいたま市は30℃近い暑さでした。自生地は乾燥し切ってオギやヨシは心なしか元気がありません。
コアオハナムグリ
ノカラマツが全域で蕾が見 られ、一部では咲き始めている。ピンクの花が可憐なバラ科の落葉低木のナワシロイチゴが一時はずいぶん増えたが、今年はあまり見られない。 トモエソウは蕾が大きくなってきたが花はまだ、ビヨ ウヤナギと同じオトギリソウ科なのでもう明日辺りには5弁のねじれた大きな花を開きそうだ。
上は蕾をつけたノカラマツ。右上はノカラマツの花にきたコガネムシ科のコアオハナムグリ(小青花潜)、背中に白点を散りばめた 小さなハナムグリ
ノカラマツは全国的には準絶滅危惧(NT)から絶滅危惧U類(VU)にランクアップされているが、荒川河川敷などでは普通に見られ 埼玉カテゴリーでは絶滅危険度が1段階下がっている。

今年はシオデの当たり年のようで自生地のみならず荒川河川敷に多く見られる。ユリ科のつる性の多年草で托葉が変化した巻きひげで 絡みつき伸びていく。
雌雄異株で雌花序、雄花序とも小さな花を球形の散形花序につけ、長さ約4o、6枚の花被片は反り返って丸くなる。
シオデ雄花 シオデ雌花
シオデ雄花 花糸の長い雄しべが6本つく シオデ雌花 緑色の子房の上で柱頭が3裂する
自生地のアチコチでヤブジラミの小さな白い花が見られ、ノビルには珠芽が多くついています。
シオヤアブのオスの腹部終端に一叢の白い毛があり、これが塩に見えることが塩屋虻の名の由来。交尾したままつがいが飛んでいるの もよく見られるようだ。シオヤアブなどのムシヒキアブは鋭い口吻で獲物を倒し体液を吸うという。

ヤブジラミ ノビル シオヤアブ
ヤブジラミ ノビル シオヤアブ
いよいよオカトラノオ属が面白い花穂をつけ始めた。いつも早く咲くA区の花穂は直立しているのが多いが今年は下を向いてカーブして いるのが多い。雑種を作りやすいようで自生地でも代表的な交雑種の イヌヌマトラノオが多そうだ。
ノジトノオ? ベニシジミ
裂片や花穂の形はノジトラノオですが・・・ ヌマトラノオに近いイヌヌマトラノオとベニシジミ

芒種(ぼうしゅ):6月5日頃、昔は芒のある植物(稲)を植える季節だった。今年は乾燥続きで今日も30℃近くまで気温が上がった。