二十四節気の立秋に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
ヒルガオは朝顔より古く、万葉の昔から親しまれています
2013年8月7日(水)
今朝は久しぶりに青空が一面に広がり、朝露も多かった。自生地の観察路は左右からオギなどが倒れかかっている所があり、お蔭で
かなり朝露の洗礼を受けてしまった。
ギボウシ属の若葉はウルイと呼ばれ山菜として親しまれているが、代表的なものがオオバギボウシだ。
オオバギボウシは地理的変化が大きく従来は太平洋側に生育するものをオオバギボウシ、日本海側に生育するものをトウギボウシと
してきたという。
調べてみると日本の野生植物(平凡社)も新牧野日本植物図鑑も同一種(Hosta sieboldiana)としているが、野に咲く花(山渓)は
オオバギボウシ(Hosta montana)とトウギボウシ(Hosta sieboldiana)を別種としている。
コバギボウシ(小葉擬宝珠)はユリ科の一日花で、下から順に咲き上っていく。秋には翼を持った種子が風で散布される。
ヒルガオが相変わらず薄いピンク色の花を全域で咲かせている。朝露にしっとり濡れた花は美しく、万葉集にも容花(かおばな)の
名で詠まれているのがむべなるかなと思わされる。
遣唐使が持ち帰ったと言われ、江戸時代に一大ブームを巻き起こしたアサガオより日本人には古くから親しまれていた。
ユウガオは実から干瓢を作るウリ科の栽培種で、白花を咲かせるヨルガオは熱帯アメリカ原産で、明治初期に観賞用として移入された。
いずれよりヒルガオは古くからあり、唯一の野生種だ。
花言葉は「絆」という。根が複雑に絡み合う事が由来のようだ。畑に侵入すると駆除し難い強害草とも言われるが、単純に根の強さを
表現している。
高円(たかまど)の 野辺の容花 面影に 見えつつ妹は 忘れかねつも 大友家持 『万葉集』巻八1630
ヒョウタンとユウガオは同一種であり、ヒョウタンがインドに伝わって栽培されるうち、苦味の少ない品種が食用のものとして分化、
選別されたと考えられている。干瓢はユウガオの実を細長い帯状に剥いて加工したもの。(Wikipedia)
ヨルガオは白花で、熱帯アメリカ原産のつる性植物。花はロート形で夕方から咲き始め翌朝にしぼむ。ヨルガオとユウガオは混同されるが標準和名の
ユウガオは瓢箪のこと。
カラスウリの萎んだ花がアチコチで見られる。
花は夜に咲き日の出前には萎んでしまうので、レース様の白花は夜中しか見られない。その律義さは感心するくらいで、一度は日の出
前の真っ暗なうちに行ったのにすべてしぼんでいた。
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雄花は花序を作ります |
雌花の萼筒の下部は膨らみます |
でも、その生命力は素晴らしいもので前日に咲きそうな蕾を取ってきて水を入れたグラスに挿しておくと21時頃には開花してくれる。
(
カラスウリ参照)
カラスウリは雌雄異株で、花を見れば簡単に分かる。葉腋から花序を立て多くの花をつけているのは雄花。雌花は一ヶ所からは一花しか
伸ばさず、萼筒の付け根に子房が膨らんでいる。
キンミズヒキ(金水引)はバラ科の多年草で花はよく見ると美しい。あちこちで見られるようになってこれから自生地を彩る主役の
一人だ。
クマツヅラはクマツヅラ科の多年草。茎は四角形で細かい毛が多い。30pにもなる細い花序に花径約4oの小さな花をつける。
今日唯一近くに寄ってきたコミスジ(小三條)はタテハチョウ科。翅は横長で黒褐色をしており、翅を開くと白帯模様が「三」字に見える。
立秋(りっしゅう):8月7日頃。立秋の今日は太陽が昇るにつれて気温もうなぎ上り、日本列島全体が猛暑に見舞われている。今日から
残暑見舞いになるが予報ではこれから一週間くらいは晴天続き、酷暑見舞いになりそうだ。