二十四節気の寒露に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
自生地で初めてナンバンギセルを見ました
2013年10月8日(火)
堤防の上から自生地を俯瞰すると
オギ
の穂波が白や赤味がかった帯状に見え、露をいっぱいに含んだ花穂は観察路にこうべを垂れていた。
穂を掻き分けながら進みフト手を見ると黒紫色の小さな長方形が無数についていてびっくり。最初は何だろうと不思議に思ったが
すぐにオギの葯と分かり安心して払い落とした。
観察路の両側はユウガギクの白い花が多くなりいよいよ秋本番の雰囲気で、チカラシバも逆光に銀色の穂を輝かせていた。
初めて自生地で
ナンバンギセル
を見た。盛りは少し過ぎていたようだったが、色は鮮やかだった。
ナンバンギセル(南蛮煙管)はハマウツボ科の一年生で無葉緑の寄生植物。ススキの根などに寄生する。南蛮煙管とはマドロスパイプ
の事で花の形から連想。
埼玉カテゴリーでは絶滅危惧U類(VU)。
花は横向きにつき長さ3〜3.5p、先は浅く5裂して黄褐色の大きな萼に包まれる。雌しべ1個と雄しべ4個があり、花柱は曲り柱頭は
かなり大きく金色の毛を密生する。
子房は萼に包まれたまま発育して刮ハとなり、中に無数のほこりのような黄色の細かい種子ができる。
右の写真で茎のように見えるのはすべて花柄で高さ約15〜20p。茎はごく短くて土中にある。
万葉集にも「思ひ草」の名で下記の一首だけ登場する。
道の辺の尾花が下の思ひ草今さらさらに何をか思はむ
作者不詳(巻10-2270)
アキノノゲシは大きく空に伸び、ヤブマメも全域で薄紫の花を咲かせ、ヤブツルアズキは細長い豆果、ツルマメも豆果だけが見られる。
アカネは小さな淡黄白色の花と丸い果実も見られ、キンミズヒキは鴨川縁を中心に繁茂している。
カナムグラの雄花は相変わらず全域で花穂を立て、雌花が咲き始めた。イヌタデやレモンエゴマそしてコメナモミも見られるように
なった。
クワ科のカナムグラ(鉄葎)は雌雄異株で苞に包まれた下向きの短い花序の雌花がいよいよ登場し、露を含んだ雄花とコラボしていた。
(左の写真)
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コメナモミ |
レモンエゴマ |
寒露(かんろ):2013年10月8日の寒露は朝方こそ露が多かったが、日中は台風24号と高気圧の影響で気温がうなぎ上り、30℃近くまで
になり、夏に逆戻りした感じだった。