二十四節気の大雪に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
落ち葉を踏み敷く音が乾いてサクサクと軽やかでした
2013年12月7日(土)
大雪の今日は昨日より最高気温が4℃くらい下がり寒くなるとの予報だったが、青空が広がりほとんど無風で陽光が暑いくらいだ
った。
さいたま市の過去30日間の降雨量は平年の4分の1しかないのも手伝ってか、観察路の中央付近は落ち葉を踏む乾いた音が初冬の
雰囲気を感じさせた。
自生地に来る途中の桜橋の欄干ではセンニンソウがいまだに花を咲かせている。ここのセンニンソウは一昨年くらいまでは河原に
絨毯を敷いたように白い花を群生させていた。そしてその花の時期は自生地などよりはるかに早かった。
それが欄干に上がってきたら極端に遅くなったのは不思議だ。
荒川河川敷ではとっくから種髪を付けた痩果しか見られなくなっているし、枯野原の自生地では観察路の囲柵に唯一緑の葉を茂ら
せているだけだ。
一面のオギの枯野原で、ところどころ高く伸びだしているのがタカアザミとアキノノゲシだ。
タカアザミ(高薊)はキク科の2年草で高さは1〜2mになり、大輪の花は下向きに咲くのが特徴だ。
鴨川縁のタカアザミは特に茎も太くて大きく陽光をいっぱいに浴びて長い冠毛を白く輝かせていた。
ノコンギク(野紺菊)はシオン属の多年草。シオン属の属名Asterは星の意味で花の形から。この属は筒状花にも舌状花にも約5oの
長い冠毛がある。
ユウガギクは花が全く見られなくなり、半球形の頭果だけが目につく。
ユウガギク(柚香菊)はヨメナ属の多年草。ヨメナ属は痩果が扁平で冠毛が約0.2oとごく短いのが特徴だ。
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白く毛羽立っているノコンギクの冠毛 |
冠毛があるのも分からないユウガギク |
ユリ科の多年草の
シオデ(牛尾菜)は直径約1pの黒い球形の液果をしわしわにして、まるで干しぶどうのようだった。
同じユリ科の多年草で横向きの紫色の筋の入った花が自生地のほぼ全面で見られた
コバギボウシ(小葉擬宝珠)はほとんど種子を飛ばし終わ
って、余生を楽しんでいる風情だった。
ガガイモ科のつる性の多年草の
コカモメヅル(小鴎蔓)
は熟した袋果は裂開して種子を飛ばす。でも今年は花が多く見られたのにナカナカ見られず、今日やっと見つけた袋果は種髪のついた種子を飛ばし終っ
た後だった。
大雪(たいせつ):2013年12月7日の大雪は寒くなるとの予報だったが、自生地には陽光が降り注ぎ暑いくらいだった。11月の降雨量
は平年の4分の1だったようで観察路の落ち葉も乾ききっていた。