二十四節気の春分に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

サクラソウがピンクの蕾をつけ始めました

2014年3月21日(金)

蕾を付けたサクラソウ
春分の日は前日の雨とはうって変わって青空が広がった。でもさすがに冷たい感じはなかったが、低気圧の通過に伴う北風が強かった。
自生地は若草色に染まりいよいよ春の訪れを感じさせられ、蕾を付けた サクラソウが2株確認できた。でも花芽を撮ったつもりの写真にピンクの蕾が写っているのを気付いた程小さくて、花開くまで意外と日時がかかりそうだ。それに最初に蕾を付けた株以外の花が開く事も多いので微妙だ。
蕾を付けたサクラソウ

関東の桜の開花予想は記録的に早かった昨年よりは遅く、平年並みかやや早くなり、東京は25日の予想だ。
サクラソウも昨年は16日に開花し20日の春分の日には見える範囲だけでも7〜8株が花をつけていた。今年は蕾を付けたのが2株だが、 明日から気温が高くなりそうなので、遅かった前々年の28日よりは早くなりそうだ。
ちなみに過去6年間の田島ケ原のサクラソウの開花日は下記の日時だった。
今年の開花は3月25日で、去年同様、東京のソメイヨシの開花と同日だった。

ヒロハアマナ
ヒロハアマナの特徴は文字通り葉の幅が広く、葉の中心に白い帯が見られることです。
アマナ
9日に咲いたヒロハアマナはそろそろ 終わりに近いようで、白い花が広がってはいたが鮮やかさはなかった。柵近くのチョット遅めの株はいっぱいに花開いていた。12日に初咲きが見られた 同じユリ科のアマナは北風が強いので横向きの半開の花が多かった。
左の写真は伏したアマナの群生。円内は花のアップ、雄しべは内花被片、外花被片に対応して6個で葯は黄色。柱頭は3裂する。
地下10pくらいに小さな球根を付け、その途中から対生した2枚の葉が伸び出すのが、あたかも根生葉のように見える。

キタテハ ヒロハハナヤスリ
成虫で越冬するキタテハは花が少なく大変です シダ植物のヒロハハナヤスリ
田島ケ原サクラソウ自生地の生き字引のような田口時男さんが3月17日に急逝した。
自生地を守る会の自主観察会では講師役を務めてもらい、毎月その時期の花を自生地はもちろん周囲の堤防のノリ面や桜草公園に 自生する植物まで詳細に案内してもらった。
そして3月6日の今シーズンの打ち合わせ会では相変わらず元気な顔で隣合わせの席に座った。今年も1ヶ月の活動期間中唯一人だけ 皆勤の予定で張り切っていたのに、彼岸の中日のお通夜だった。
28日の活動初日に田口さんを主役に田島ケ原サクラソウ自生地のビディオを作成しているというKさんが来場した。草焼きの場面は 撮ったので今回の活動風景を撮って完成させるつもりだったといい非常に驚き、残念がっていた。
改めて写真を探してみたが、あの人懐こい、珍しい花を紹介する時のあたかも自分の手柄のような無邪気な表情の写真が一枚もない のが残念だった。
現在あるビディオをうまく編集して、是非譲って頂けるようくれぐれもお願いした。

春分(しゅんぶん):彼岸の中日で昼夜の長さがほぼ同じですが、さいたま市の日の出は5時43分51秒、日の入りは17時53分29秒で昼の 方が約19分長めです。尚、彼岸は中日を挟んで前後3日間なので入りが18日で明けが24日です。