二十四節気の小満に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
サイカチ、マユミ、イボタノキなど木の花が満開でした
2014年5月21日(水)
2014年5月21日の小満は終日雨が降り続いたので、取材に行ったのは22日の早朝だった。さくら草橋から見る鴨川河川敷には相変わ
らずナヨクサフジが盛大に繁茂していた。
7時頃の自生地は青空が広がり、オオヨシキリがアチコチで囀り、E区の奥の林の方からはかっこうかっこうののどかな鳴き声が聞こ
えた。オギはまだ目線より低いがヨシは元気よく空に向かって突き出している。
バラ科キイチゴ属のナワシロイチゴがピンクの花をつけていた。この花は独特で満開でも平開するのは萼だけだ。
白い小さな花がたくさん付いている
ハナムグラが見られた。でも意外と少ない。今年はまだこれからなのだろうとも思ったが、帰り際に周辺をよく見ると花を咲かせている株が多く見ら
れた。
キョウチクトウ科のチョウジソウが小枝を立てたような袋果を付けて、残り花を2輪咲かせていた。
サクラソウは葉が見違えるほど大きくなり、実をつけている。でも小さいままで枯れかかっているのも多い。先日の保存管理計画
策定報告書では結実しているものも同花受粉で正常な種子繁殖ではないと結論付けられているのは寂しい限りだ。
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木の枝を立てたようなチョウジソウの袋果 |
サクラソウの子房は種子をつけて欲しい |
サイカチとマユミは花の盛りでそれ
こそ満艦飾に花をつけていた。イボタノキも小さな筒状漏斗型の花をいっぱいに付けている。
去年は初めてエンドウマメのような大きな豆果をつけたサイカチだが、今日見た限りでは雌しべをつけた花は見つからなかった。
雌雄異株というマユミはさすが雌しべの長い花ばかりだった。
マユミ(檀、真弓)はニシキギ科ニシキギ属の落葉小高木。学名はEuonymus hamiltonianus
集散花序に1〜7個の緑白色の花径
8oの花をつける。花弁と萼片は4個、雄しべも4個。刮ハは約10oの四角形で4つに裂けると赤い仮種皮に包まれた種子が現れる。名の由来は材が緻密で
よくしなるので弓を作るのに使われた事から。
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サイカチには雄花、雌花、両性花があるようですが |
イボタノキの花は先が4裂し、雄しべは2個 |
アカメヤナギは刮ハが裂開して
多くの柳絮を飛ばしていた。
自生地との境の公園木のマルバシャリンバイとトベラは最盛期は過ぎたようだがいっぱいの花をつけている。マルバシャリンバイ
は幹は株立ち状でよく分枝する。葉が枝先に集まって付き、車輪状に見え花が梅に似るのが名の由来。シャリンバイより樹高が低く、葉が小さくて丸み
を帯びる。
左はE区のアカメヤナギの柳絮。柳類では一番花が遅く、柳絮を飛ばすのも5月下旬ころだ。
第2駐車場の堤防ではクララが大きな花穂に面白い唇形花をつけているが、自生地ではまだようやく花穂を伸ばし始めたところだ。
小満(しょうまん):「小満とは秋に蒔〔ま〕いた麦などの穂がつく頃で、ほっと一安心(少し満足)すると言う意味」(日本文化いろは事典)
という。草木が勢いよく生長し、天地に陽気が満ち始めるころで麦秋と重なることからか。2014年は終日雨だった。