二十四節気の夏至に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
サクラソウ科の共通の特徴の一つは独立中央胎座です
2014年6月21日(土)
朝は7時頃から薄日が差し始めが、日中は終日薄い雲がかかりすっきりした青空にはならなかった。
いよいよ特別天然記念物の石碑がすっぽり隠されてしまい、相変わらずオオヨシキリは全域で囀っていた。
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幼虫の白帯は3齢頃からハッキリしてくるようです |
茎にしがみつき先端を咥えてムシャムシャ食事中 |
中央観察路を入ってすぐの右側にジャコウアゲハの幼虫が居た。
かなり大きく終齢に近い感じでよく見ると頭を盛んに動かしている。上から覗き込むと茎をくわえてお食事中だった。
奥のハンノキのそばのウマノスズクサにも3匹いたが、残念ながら成虫には出会えなかった。
サクラソウ科オカトラノオ属が全域で白い花穂をたわませていた。
オカトラノオ属は雑種を作りやすく、その代表がオカトラノオとヌマトラノオの雑種のイヌヌマトラノオと言われるが、
雑種だから種の特徴の出方に強弱があって、色々の姿形があり興味が尽きない。
左の写真は花付き、裂片の形、花穂のたわみ方そして先端の線形の苞葉とノジトラノオの特色をもっているので、純粋種なら環境省のレッ
ドリストの 絶滅危惧U類(VU)の希少種だ。
サクラソウとオカトラノオ属が同じサクラソウ科とはとても思えないので、両者の共通の特徴を調べてみた。
両者とも花冠の下部が筒になった合弁花で、5個の雄しべは裂片と対生して内側に付く。
子房は上位で一室、胎盤が球形(サクラソウ)または円柱状(オカトラノオ属)に盛り上がり、多くの胚珠がその上に付く。
このような胎座を独立中央胎座と呼び、日本の合弁花類ではサクラソウ科だけに、離弁花類ではナデシコ科だけに見られるという。
胚珠 種子植物の子房内にあって卵細胞を内蔵し,受精後種子に発達する部分。被子植物では心皮に包まれ,裸子植物では裸出して
いる。(大辞林)
トモエソウも満開で、すでに実になっているもの蕾のものと一日花が咲き継いでいるのがよくわかる。小さなホソヒラタアブが大きな
花に挑戦していたり、大きなクマバチが来たりしていた。
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ノカンゾウ |
クサフジ |
クサフジが見られるようになったが、
特にA区の鴨川側で群生している。
ノカンゾウもチラホラ咲き
始めた。
コカモメヅルも小さな
濃紅色の星形の花を咲かせていた。この花は朝だけしか開かない花で、トモエソウも午後にはしぼみ始める。
ノカラマツも全域で花らしくない
花をつけている。まだ蕾が多い株、ほとんどが雄しべだけの花のものなど様々だ。もともと花弁は無く、萼が早落性のため咲いている花は雌しべ4個と
多数の雄しべの長い花糸と黄色い葯だけだ。
夏至(げし):6月21日頃。日照時間の一番長い夏至の頃が一番の暑さにならないのは何故か?温められるまで時間がかかるので、8月
初め頃が暑さのピークになるという。言われて、8月は6月より暑いものと何の疑問も持たず思い込んでいた事に気づいた。