二十四節気の大暑に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

白いレースに飾られたカラスウリは夜の帳に開く花

2014年7月23日(水)

アカツメクサにモンキチョウ
今年の梅雨明けは前日の22日、平年より1日、昨年よりは16日遅い梅雨明けだった。
今日の大暑は朝は雲が多かったが次第に青空が広がり午後からはまた雲が多いむし暑い一日だった。
水門横のゲートから入ると、旧志木街道の堤防にモンキチョウが多く飛び交って、アカツメクサに吸蜜に来ていた。
モンキチョウ(紋黄蝶、Colias erate)は、普通に見られるシロチョウ科の中型の蝶で、表は黄色または白色、前縁〜 外縁に黒帯がある。暖地では年に4〜7回も発生するという。
食草はさまざまなマメ科の植物で、翅の地色は雄は黄色で、雌は黄色と白色の2種類がある。

萎んだカラスウリの雄花
今、自生地や河川敷では カラスウリのしぼんだ花が多く見られる。白いレースに飾られた花は夜の帳に咲く花で、夜だけ開いて明るくなる前に閉じてしまう。
前日に河川敷でその日の夜に咲きそうな蕾を多く見付けた。つい先日不慮の事故で亡くなった甥っ子の追悼に写真を撮って こようと久し振りに21時過ぎに出かけてみた。
途中の秋ヶ瀬緑道のさくら聖地苑のフェンスにも咲いていたが、フラッシュを使っての撮影はあまり経験が無く、残念ながら 満足できる写真は撮れなかった。
原野のカラスウリ カラスウリの花
カラスウリ雄花 カラスウリ

オニユリ
オニユリが盛りで全域で見られるが、意外と観察路付近は少なく、少し残念。
オニユリ(鬼百合)は古い時代に食用として渡来した中国原産の栽培種が野生化したもののようだ。
地下につく径5〜8pの白い鱗茎は苦みが無く美味しいという。
鱗茎とは肥大した地下葉(鱗片)に覆われた地下茎で、毎年鱗片の数を増やし肥大生長していく。多肉化した鱗片はでんぷん質 に富み古くから食用にされていた。
ママコノシリヌグイ
葉は互生し無柄で基部に黒紫色の珠芽をつける。3倍体のオニユリは結実しないので、珠芽で増える。よく結実し珠芽を つけないコオニユリとの違いだ。


ママコノシリヌグイの托葉鞘の上部は葉状の腎円形
アゲハチョウは赤い花を好むと言われ、大型の蝶が訪れるが、蜜は花被片の中央の溝の奥にあるという。

A区にシロバナサクラタデが群生していた。サクラタデより花は小さく自生地では雄しべの長い雄花が圧倒的だ。
中央観察路から入るとヤマノイモの雌花と刮ハも見られた。バアソブは期待したほどは見られなかった。
イヌヌマトラノオの白い花穂がまだアチコチで見られ、ゴマノハグサ、トモエソウ、ノカンゾウは刮ハが見られた。 オトギリソウやアゼオトギリそしてニガクサの花も見られる。センニンソウの花が咲き始めコバギボウシは花茎を立て始めた。
車の心配は無し バアソブ
シロバナサクラタデは雌雄別種。雄花が多い バアソブの花は花径約1.5cm、長さ約2pと小さい

大暑(たいしょ):7月23日頃。今年は前日の22日に梅雨明けした。各地でこの日に合わせて打ち水のイベントが行われる。 打ち水は元々は神様が通る道を清めるためのものだったというが、江戸時代から涼をとるのが目的となったようだ。