二十四節気の秋分に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

アキノノゲシやヒガンバナそしてフジバカマが満開です

2014年9月23日(月)

アキノノゲシ
秋分の日は終日青空が広がり、秋らしいさわやかな一日だった。
26日から29日まで長崎に行く予定なので9月の27レポートの取材もするつもりで朝は6時過ぎに家を出発した。自生地では 2時間弱観察しながら歩き155枚シャッターを押した。
荒川河川敷ではアキノノゲシが全域で淡黄色の花を付けていて、キクイモ、ツルボ、アレチウリ、ヨモギそしてヒガンバナ の群生が見られ、休耕田ではキクモの小さな花も咲いていて、この日だけで330枚も写真を撮ってしまった。
アキノノゲシの花は 花径約2pで筒状花は無く舌状花だけ。1〜2年草で日本全土に広く分布する史前帰化植物というが、昔からの短歌集などには詠われていないよう なのはチョット不思議だ

自生地でもアキノノゲシが大ブレーク、キンミズヒキ、ツユクサ、そしてヒガンバナが満開で、ツルフジバカマの赤紫色の 花もまだ各所で見られる。
カナムグラが全域で見られるようになり蔓先をもたげて雄花序のツリーを立ている。ユウガギクの花が増え始め、チカラシバ の穂が朝日に輝き、キツネノマゴやオオバコが観察路を彩っている。大きくなってだらしなく見えるヨモギも多くの花を付けている。
ヒガンバナ ツルフジバカマ
ヒガンバナ ツルフジバカマ
8月23日の処暑を境に前日までの酷暑が嘘のように秋らしくなった今年は秋の花が早いのだろうか?去年は10月初旬まで 十分に見られたナンバンギセルがもう終わりに 近い。
ツルマメの花は全く見られなくなり、豆果になっている。秋分の日には花が無くなる事も多いが、チョットあっ気ない。 ヤブツルアズキの花もほとんど見られなくなり、長い豆果が目立つ。例年少し遅れて花をつける薄紫のヤブマメの花は所どころで見られる。
ツルマメ豆果 ヤブツルアズキ花と豆果 センニンソウ痩果
ツルマメ豆果 ヤブツルアズキ花と豆果 センニンソウ痩果
アカネの花が見られない。去年は結構見られたが隔年なのだろうか。あれほど全盛を誇ったセンニンソウはほとんどが 白い花柱の伸びた痩果に変わっている。コカモメヅルも両脚を広げたような形の小さな袋果を付け、カラスウリの実はまだ緑色だ。

フジバカマニミドリヒョウモン
8月初旬頃から花が開き始めたフジバカマは今が満開で、ミドリヒョウモンやミツバチなども吸蜜に来ていた。
フジバカマはキク科 ヒヨドリバナ属の多年生植物で秋の七草の一つ。環境省のレッドリストでは準絶滅危惧(NT)種に指定されている。
しかしながら最近のネット情報によると、今河原や草地で見られるのは「サワヒヨドリ」と「フジバカマ」の交雑種の 「サワフジバカマ」で、元々園芸種だけに逸出して繁殖力の強さから野生化しているという。
フジバカマカンモウ
「サワフジバカマ」の特徴は茎が赤く、葉がすべて3裂して頭花の付き方が密で、最大の違いは冠毛が短く筒状花の半分 くらいしかない 事という。
自生地のは冠毛が長いのでフジバカマに間違いない。
右の写真はフジバカマの筒状花。右側の黒いのが痩果で約2,5o、白い剛毛状の冠毛は筒状花と同じ長さがある。先に伸び 出しているのは2裂した花柱のひとつ。

秋分(しゅうぶん):今年の秋分の日は青空が広がり穏やかな秋日和だった。休日としては1948年(昭和23年)に公布・施行 された国民の祝日に関する法律(祝日法、昭和23年7月20日法律第178号)によって前年に廃止された秋季皇霊祭の後継として制定された。