二十四節気の立冬に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
立冬とは思えない陽射しが暖かく汗ばむほどでした
2014年11月7日(金)
毎年立冬には各地でこも巻きが行われるが、有名観光地のその模様がニュースで報じられていた。関東では風は強かった
ものの暖かい陽射しがあり、ツーリングで立ち寄った若者たちは半袖に着替えようかと話していたくらいだった。
さくら草橋の手前の三叉路では信号機の設置工事が行われていた。歩車分離信号の表示がされていたが、おそらく歩行者
優先の押しボタン式なのだろう。
田島交差点方面からさくら草橋方面を望む
西浦和から田島交差点を渡って、右側の歩道を歩いて来てしまうとここを横断
するのは難しかったので、サクラソウ自生地などに来る人たちにとっては有難い。
俯瞰した自生地は波打つ白い穂に枯葉色や一部緑色もあって秋の深まりを感じさせられた。
空にはオギの白い穂がなびき、所々ヨシがひときわ高く褐色がかった穂を立てている。
オギが葉を落としているのでかなり茎が目立つようになり、空いた茎の間から黒く熟したシオデの実が見られたり、奥の
方に絡みついたつる植物の枯れ姿などが見えるようになった。
キンミズヒキは一部でまだ黄色い花も見られるが、萼筒に包まれた痩果が目立ち、紅葉や黄葉も見られる。
ユウガギクの花は少なくなり、冠毛の短い痩果が目立つようになってきた。
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キンミズヒキは色々姿を変えて自生地を彩ります |
ユウガギクは花と実を混在させています |
アキノノゲシは大きな
図体に褐色の葉などを絡みつかせて、淡黄色の花を付けていた優雅な姿は偲ぶべくもない。でも、広げた総苞片を陽に輝かせて冠毛の付いた
痩果を従えている姿はそれなりの風情がある。
フジバカマも小さな総苞片
と冠毛を風に揺らせている。
上は総苞に包まれたノコンギクの長い冠毛(約5o)
右上は痩果を飛ばし終わって開いたアキノノゲシの総苞と、
これから旅立つ痩果と冠毛たち
右下は役目を終えたフジバカマの花が開いたような小さな総苞と冠毛たち
冠毛とは「キク科植物のタンポポ・アザミなどの下位子房の果実上端に生ずる毛状の突起。萼(がく)の変形したもので,
果実が熟したあと,乾燥して放射状に開き,種子を散布するのに役立つ」(三省堂大辞林)とされる。
キクは広義にはキク科キク属の総称であり、狭義には栽培されている菊(イエギク、栽培ギク)を指す。一般に栽培されて
いる菊の和名をキク科キク属のキク(Chrysanthemum morifolium Ramat.)と言い野生のものは存在しないという。
いずれにしてもこのキクやコオニタビラコ、ヤブタビラコには冠毛が無い。
冠毛と言っても一概に写真のようにフワフワした毛だけではない。アザミのように毛が羽状の枝を持っていたり、キクイモの
ように鱗片であったり、センダングサのように刺であったりする。
今年は
サクラタデがほとんど
見られない。昨年まではハンノキの下辺りのA区に多くのきれいな花を咲かせていたが、どうもつる植物に負けてしまったようだ。
E区の公園側に盛大に絡んでいた
ニガカシュウは花も実もつけたのを見なかったが、
きれいに黄葉していた。
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サクラタデ |
ニガカシュウの黄葉 |
立冬(りっとう):立冬とは、冬の始まりのこと。「立」には新しい季節になるという意味があり、立春、立夏、立秋と並んで
四立(しりゅう)と言われる季節の大きな節目の一つ。