二十四節気の大雪に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
出会った生物は雄のモズ一羽だけでした
2014年12月7日(日)
二十四節気の大雪(たいせつ)の今日は日本海側と西日本は大雪(おおゆき)に見舞われているようだが、関東は朝から青空が
広がった。でも日本列島全体を寒波が覆っているせいで、空気は冷たく今年初めて手袋をして出かけた。
途中で雪を頂いた富士山と遠くの山並みがかいま見えたので、荒川土手経由でサクラソウ自生地に向かった。
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浦和ゴルフ付近の堤防上より富士山を望む |
中央付近のクヌギの下は落ち葉が積もっている |
自生地はオギたちが多くの種子を飛ばし、つる植物と一緒に水分も飛ばしてスッカリ乾いた枯れ景色を展開していた。
真ん中あたりのクヌギの下は落葉が降り積もり、歩くとかさかさと乾いた音がした。
今日自生地で唯一出会った生物はモズ一羽。中央付近の柵に飛んできて、忙しく左右を見回し餌がなさそうと思ったのか、
すぐまた飛んで行ってしまった。
モズはスズメ目モズ科の留鳥または漂鳥として全国に広く分布する。漢字名の百舌は他の鳥のさえずりを真似るのが上手い
事から。頭が大きく、長い尾を回すようによく振るのが特徴。オスは過眼線が黒く、背と尾が灰色で翼(初列風切)に白斑がある。メスは過眼線
など全体的に褐色味を帯び、初列風切に白斑が無い。秋から冬は一羽づつ縄張りを持ち、縄張り宣言の高鳴きをする。
第2自生地では多くのノコンギクが丸い冠毛を花のように付けていた。
やや褐色味を帯びた冠毛はタンポポよりかなり小さい。でも多くの枝を分けて70〜80pくらいの先端に付いた丸い冠毛達は
タンポポと違った趣があり面白かった。
タンポポ類の冠毛は痩果の先端から長さ8oくらいの冠毛柄(くちばし)を出し、その先に7oくらいの冠毛を放射状につける。
ノコンギクには冠毛柄は無く、痩果に直接付いた5oくらいの冠毛が放射状に広がる。
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左右の写真はまだ痩果を飛ばしていない丸い冠毛。中央は離陸寸前の冠毛と裸になった総苞片が花びらのよう |
旧志木街道の堤防では
シロバナタンポポが花を付けていた。このノリ面は陽当りがよく、北風が当たらないので毎年初冬の頃から4月頃まで代わる代わる白い花が
見られる。
こんなに早い時期から花を咲かせて、花粉を媒介する昆虫がいるのか心配になるが、シロバナタンポポはセイヨウタンポポ
と同じように受粉する必要のない単為生殖をするという。
タンポポ属で白い花を咲かせるのはシロバナタンポポだけで、関東では珍しいが、九州や四国ではタンポポの花は白いと
思っている地域があるようだ。
サイカチはすべての葉を落とし、
青い空に5〜6個の豆果が散らばって、長い柄の先で風に揺れていた。
落ちていたのを拾ってみると、乾燥して力を入れるとパリッと折れそうな感じがした。持ち帰って殻を
むいてみたら、折れるどころかナカナカむき難かった。
豆果は長さ30pくらいで、殻の中には膨れている所だけでなく種子がびっしり入っていた。
柄のついていた方は粘っこい繊維のようなものがまとわりついた。先に行くにつれて乾いてはいたが簡単
にはむけず、結局長さ7〜8oの楕円形で、扁平な種子が25個も入っていた。
大雪(たいせつ):二十四節気の第21で、十一月節(旧暦10月後半から11月前半)。日本海側が大雪で、徳島の山間部が雪に
閉じ込められているとのニュースが流れている。関東地方は朝から青空が広がっていたが、空気は冷たかった。