二十四節気の小満に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
今年の小満はエゾエンゴサクと久し振りの再会をしました
2015年5月21日(木)
今年の小満はヒルトンニセコビレッジで朝を迎えた。早朝散歩に出ると周辺はアスファルト舗装された道ばかりで道路脇も手入
れされ人工的だった。自然のままの所がないか進んでくと道路脇のブッシュの中に踏み固めた小道があった。ラッキーな事にそこが未舗装の農道に繋
がっていた。
左手には畑のような空間が広がり、右手には森が続いていた。道端には朝方までの雨に濡れたタチツボスミレの花々が多く見ら
れた。北海道らしい花はないかと探していくとエゾエンゴサクが咲いていた。
2003年に利尻島ヤムナイ沢で初めて出会い、岩手県住田町の種山ヶ原で2005年にヤマエンゴサクと出会ってから久し振りの再会だっ
た。
エゾエンゴサク、ヤマエンゴサクそしてジロボウエンゴサクともキケマン属の多年草。エゾエンゴサクは東北の日本海側にも分布し
ヤマエンゴサクと分布域が重なるところがあるようだが、花の下の苞が長楕円形と後者は切れ込むことで区別できる。自生地にもあるジロボウエンゴ
サクは関東地方以西に分布する。
22日の自生地はハナムグラがオギの間のそこここに白い花を咲かせ、ナワシロイチゴが観察路脇に咲いていたが、レンリソウは
名残りの花のみだった。
鴨川側のマユミは今年はたくさんの花をつけ、なり年を思わせる。同じニシキギ科のマサキは一ヶ月遅れで花を咲かせる。
これからの主役のノカラマツが丈を伸ばして蕾を持ち始め、イヌヌマトラノオが緑色の幼い花穂を立てて、クララが細長い花穂
をつけ始めた。オニユリもアチコチで群生して7月の花の時期が楽しみだ。
サクラソウ自生地はオギが肩くらいの高さまで伸びて、左右の見通しはあまり効かなくなり、オオヨシキリの囀りだけが盛んに
聞こえた。
ジャコウアゲハが飛ぶのが見られ、草むらではこのところまた増えてきたミノムシが盛んに移動をしていた。ミノムシはミノガ
科の蛾の幼虫で、その中でもオオミノガの幼虫を指すようだ。
サクラソウは第2次指定地でたくさんの膨らんだ子房が見られ、多くの種子ができる事を願いながら見回すと名残の花も2〜3あ
った。
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サクラソウ |
ミノムシ |
小満(しょうまん):5月21日頃。昔は秋に蒔いた麦がちょうど穂をつける頃で、それを見て今年も順調に育っているとほっと一安心
した事から小満と言われるようになったとの説もあるようだ。