二十四節気の夏至に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

オトギリソウが咲きトモエソウ、ノカンゾウも咲き継いでいます

2015年6月22日(月)

オトギリソウ
夏至が6月21日ではなく22日なのは4年振り。地球は365日と約6時間かけて太陽の周りを回るので、閏年の 前年の夏至は22日になる事が多いという。
自生地ではオトギリソウが咲き始め、トモエソウやノカンゾウが一日花を咲き継いでいる。
トモエソウ
オトギリソウとトモエソウはおなじオトギリソウ属の多年草。草丈は30〜60pと60〜90で花径も約1.5pと約5pとトモエソウ が大きい。
オトギリソウの茎は円柱形でトモエソウは4つの稜があり直立して枝分かれする。葉は対生し全縁。オトギリソウは黒色の 細かい油点が散在し、トモエソウは透かしてみると明点がまばらにある。
両者とも1日花で、萼片、花弁ともに5で巴状にゆがむ。、オトギリソウの花柱は3分しトモエソウは5分し、雄しべは多数。
オトギリソウ科は茎や葉、花などに腺体があるのが特徴。腺体は普通ヒベリチンと呼ばれる赤い色素を含み。それが多量にある と黒く見えるので、黒点、黒線と呼ぶ。少ないと赤点となり、色素を含まない場合は明点または明線と言う。

キオビツチバチ
キオビツチバチ キオビツチバチ
キオビツチバチ 黄帯土蜂
奇形のイヌヌマトラノオに真黒なハチが来ていた。結構見るハチだが未だ名前が不明のままだ。色々姿勢を変えながら吸蜜 に忙しく動き回っていた。
腹部に黄色い帯がある黒い蜂で調べるとオオモンクロベッコウがあったが、どうもベッコウバチ科のハチとは思えなかった 幼虫の餌にするためクモを専門にハンティングするとは思えなかった。
やっと黒色で腹部に大きな黄色い紋があるツチバチ科のキオビツチバチ(黄帯土蜂)を見つけた。体長は15〜25oで幼虫は コガネムシの幼虫を食べて育つというが花に来ている写真が多い。
オスの触角は前翅長の3分の2くらいもあるが、メスは短く黄色のマークは左右に分かれて見えるという。
綱膜翅(まくし)目ツチバチ科Scoliidaeは大形の種類を含み全身に剛毛がある。体は黒色でしばしば金属光沢があり、腹部には黄斑や黄褐色毛帯を持つ ものが多い。腹部は特に大きくて長い。メスはコガネムシの幼虫に卵を一つ産みつける。

このところ上空に寒気があって天候が不安定でにわか雨や雷雨そして突風が起こり易いが、今日は穏やかな天気模様で、 自生地ではイヌヌマトラノオトモエソウノカンゾウクサフジなどの花に加えて ゴマノハグサが花らしくない花をつけ始め、 ハンゲショウが葉を白くしていた。
ツルフジバカマ ゴマノハグサ ノカンゾウ
季節的には少し早いツルフジバカマ ゴマノハグサの花はつぼ形の白緑色 雄しべ雌しべが別々の外ノカンゾウ
ハンゲショウ
ハンゲショウは夏至から11日目の半夏生の頃に咲くからとも、葉が半分白くなる事から半化粧とも表記される。
そして原語の属名のSaururusはsauros(トカゲ)+oura(尾)の造語で、花穂がトカゲの尾のような形をしているからという。 そういわれて見ると確かにそうで、命名者の感性に脱帽だ。

夏至(げし):スウェーデンでは夏至を祝うミッドサマーの祝日から9ヶ月後に生まれる子どもが多いというのは面白い。 関西ではこの日にタコを食べる習慣があり、これは稲の根がタコの脚のようにしっかり根を張るのを願う事からと言われる。