二十四節気の小暑に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
梅雨の谷間の小暑にノカンゾウが花と蕾と実を付けています
2015年7月7日(火)
昨7月6日には入谷の鬼子母神で朝顔市が始まったという。
朝顔と言えば夏の絵日記の定番で、いよいよ夏がきたとの感じがするが、季語の世界では秋。旧暦をベースにした季語をその
まま新暦にはあてはめているので1ヶ月ずれてしまっている。
それはともかく、いよいよ夏本番を迎える小暑なのに、灰色の雲が空を覆い、時折雨がパラつく梅雨の谷間だ。
自生地では全域にわたってノカンゾウが花と蕾と実を一緒につけている。一日花ならではの姿だ。八重のヤブカンゾウも花を咲か
せている。こちらは3倍体なので実は付けずもっぱら地下茎で繁殖する。
朝顔より昔からあるヒルガオも全域で薄いきれいなピンクの花を咲かせている。
朝顔は奈良時代末期に遣唐使がその種子を薬として持ち帰ったのがはじめとされ、万葉集で山上憶良が詠んだ秋の七草の朝貌は
キキョウとする説が有力のようだ。
いずれにしても朝顔、昼顔、夜顔とも分類学上はヒルガオ科で、夜顔は熱帯アメリカ原産で明治の初期に渡来し、夕方から朝に
かけて白い花を咲かせる。夕顔といわれる事もあるが、ひょうたんと同一種のウリ科の花が夕顔と称されていたので、やむなく夜顔になったとの説も
ある。。
E区際のオトギリソウの近くに先端が細かい毛におおわれた花穂の植物があった。Nさんに尋ねられたが名前が出てこない。
上は昨年7月16日に荒川河川敷で撮影のニガクサの花
先端についているのは花なのだろうか?家に戻って色々調べてみた。シソ科の植物を総当たりしてみたが該当が無い。
Kさんから
ニガクサと知らされて
ビックリ、特徴のある花なので最初から対象外に置いていた。でも、葉や茎も調べながらなんでニガクサが出てこなかったのだろうと不思議だった。
先端についていたのを花とばかり思い、蕾と思わなかったのが最大の失敗だった。そしてニガクサを見る時は花の面白さ
ばかりに集中して、茎や葉をしっかり観察しなかったのも原因だった。
上は
トモエソウの終わりかけている
花と刮ハ。花は陽を受けて開く一日花で巴形に捻じれた花弁は5枚、高く伸びた柱頭は5裂し、雄しべは5束に分かれる。刮ハは花柱が残存し熟すと5枚
の殻に裂開して細かい種子を出す。
左は
ゴマノハグサの茎の先の
細長い集散花序で円内は花のアップ。小さなつぼ形の花冠は先が浅く5裂し、長さ約6ミリで下唇は反り返る。4本の雄しべは2本が長く、雌しべは花冠
の外に伸び出している。
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ウマノスズクサにジャコウアゲハ |
ママコノシリヌグイ |
ウマノスズクサにジャコウアゲハの終齢に近い幼虫を2匹見つけた。今年は幼虫を見る機会が少ないが、ウマノスズクサの
花は多い。実を付けるのは非常に稀で自生地では今まで見た事が無いが、今年こそ馬の鈴に似た刮ハを見たいものだ。
ママコノシリヌグイの花も散
見できるようになった。色が鮮やかだけによく目立ち、悲惨な名前とは正反対の可愛い花だ。
小暑(しょうしょ):旧暦をもとにした二十四節気をそのまま新暦にあてはめているので、季節にマッチしない部分がある。夏の
始りを告げる小暑もその典型で、現代では梅雨の最中になっている。