二十四節気の霜降に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
ノコンギクが花の盛りを迎え、ユウガギクもまだ
2015年10月24日(土)
2015年10月24日の霜降は秋晴れの汗ばむほどの好天だった。
バス停付近から俯瞰した自生地は白さを増したオギの穂波の面積が広くなっていた
自生地ではノコンギクが花の盛りを迎え、ユウガギクも痩果が多くなったがまだまだ花も見られる。ユウガギクなどは冠毛が短いとの
理由でヨメナ属に分ける見解が多かったようだが、新しいAPG分類では全てシオン属に含められたようだ。
試みに図鑑を見ると日本の野生植物(平凡社)ではユウガギクはじめ6種をヨメナ属とし、野に咲く花(山と渓谷社)もヨメナ属としている。
新牧野日本植物図鑑では属名は表記せず、ヨメナ、ユウガギクとも学名はシオン属(Kalimeris)とヨメナ属(Aster)を併記し、APG牧野日本植物図鑑では
シオン属と明記しながら学名は両者を併記している。
上の2枚はノコンギク
右は観察路を彩るユウガギク
ジョロウグモもビックリするほど多くウッカリするとからめとられそうだった。ひときわ大きなジョロウグモを写したら小さな雄グモ
が2匹いた。不思議だったが一つの巣に2匹の雄グモが居る事もあるという。
ジョロウグモは女郎蜘蛛とも上臈蜘蛛ともいわれ、夏から秋にかけて大きくて複雑な網を張る。
メスは17〜30oに対しオスは6〜13oと半分以下。腹部には黄色と青緑色の縞模様があり、下面に鮮紅色の紋がある。
ハンノキの実の奥に何かが居るのでよく見ると、逆さになったハラビロカマキリと大きなカマの先には卵鞘があった。こちらはもう
子孫を残す最後の作業のようだった。
カマキリの卵全体を卵鞘(らんしょう)と言い、固形化した泡状物質の中に200〜300個の卵を入れるという。ハラビロカマキリの卵鞘は
高さ70〜150pの所で主に樹木の太い幹や電柱や小枝にも付く。全体が濃いウグイス色で、中央縦に白い溝様のくぼみがある。
レモンエゴマ、
コメナモミ、
アキノウナギツカミも相変わらず多く、
カナムグラは雄花が盛りを過ぎ雌花が目立つようになった。
先日の観察会で自生地にあるのはエゴマではないかとの発言があった。レモンエゴマとばかり信じ込んでいた自分には寝耳に水で、
何の反論もできなった。
調べてみるとレモンエゴマと野生化したエゴマの見分けは非常に難しいとあった。でも幸いにも自然教育園にエゴマがあるというので
すぐに行ってみた。確かに外見はよく似て難しいが、香りや葉裏の赤みを帯びる、苞葉が果時には落ちる、萼の毛が多い事などで自生地のものはレモンエゴマ
と同定していい事を確信した。
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5枚の突出た総苞片に粘る繊毛があるコメナモミ |
アキノウナギツカミの蕾は先端のみが赤い |
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カナムグラの雄花と雌花 |
アキノノゲシの痩果と冠毛 |
香りで私はレモンエゴマと主張 |
霜降の自生地模様は
さいたま市市民活動サポートセンターの
田島ケ原サクラソウ自生地を守る会のホームページ
からもご覧いただけます。
霜降(そうこう):2015年の霜降は汗ばむほどの好天で、自生地ではノコンギクが花の最盛期でユウガギクもまだまだ主役。
「私はレモンエゴマよ」と香りで自分を主張したレモンエゴマ、雌花が圧倒的に多くなったカナムグラも自生地の名脇役だ。 2015年10月30日作成