二十四節気の大雪に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
ようやくコカモメヅルの旅立ちが見られました
2015年12月7日(月)
朝方は風があったが、昼近くにはほとんど無くなり、いつも少しの風でも揺れる
ノコンギクがいい被写体になってくれた。
ノコンギクの冠毛は舌状花、筒状花とも約5oと長いので、きれいな円形になる。舌状花だけのタンポポ属は痩果の先端
が毛状に長く伸び、熟すとその先端が放射状に開き種子を散布するのに役立つ。
ノコンギクの母種はチョウセンノコンギクといわれ朝鮮や中国に分布している。この仲間は変異に富み多くの亜種や変種
に分けられているという。
痩果は長さ約2oの扁平な倒卵状楕円形長い冠毛で風に乗って運ばれる。
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カバノキ科のハンノキは低湿地に自生する落葉高木 |
ブナ科のクヌギは葉が互生し縁に針状の鋸歯がある |
自生地はクヌギとハンノキが多いが、クヌギはきれいに黄葉している木が多く、ハンノキは様々だが、C区の中央観察路沿い
の木は多くの雄花序を付けている。
ハンノキもクヌギも落葉高木で
雌雄同株。ハンノキは葉の展開前に開花し、1〜2月の暖かい日にはもう花紛を飛ばす。クヌギは葉の展開と同時に4月頃開花する。
今日こそコカモメヅルの種髪をつけた種子が見られないかと目を凝らすとやっと一つあった。まだ裂けないのが多く、やはり
例年に比べて遅い。
写真の白い紡錘形の種髪の下方に種子が付いていて、上方はまだ袋果の中だ。
ガガイモ科はAPG植物分類体系で独立の科とせずキョウチクトウ科に含められたので、コカモメヅルはキョウチクトウ科
オオカモメヅル属だ。
カモメヅルによく似て、少し大きなコバノカモメヅルはカモメヅル属だ。正確には花粉の付き方が違うというが、袋果が一
つづ付くくのがカモメヅル属で対になって付くのがオオカモメヅル属というのが分かり易い。
同じ旧ガガイモ科の仲間にキジョランがあるのをこの間高尾で知った。
キジョランの名の由来は種髪を鬼女の白髪に例えたという。センニンソウは羽毛状の花柱を仙人の白髪に例えていると言われ
発想の違いが面白い。
大雪の自生地模様は
さいたま市市民活動サポートセンターの
田島ケ原サクラソウ自生地を守る会のホームページ
からもご覧いただけます。
大雪(たいせつ):2015年12月7日の大雪は朝から青空が広がり爽やかだったが、自転車で走りだすとさすがに鼻がツーンとした。でも
暖冬傾向なのだろうコカモメヅルの袋果が裂けているのは一つだけだった。2016年1月1日編集