二十四節気の冬至に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

2016年の草焼きは1月13日(水)予定です

2015年12月22日(火)

自生地と富士山も
バス停付近から自生地を俯瞰。右端には富士山もみえる
さくらそう水門
2015年の冬至は朝からよく晴れて富士山も遠望できた。自生地では多少風はあったものの 暖かで、手袋なしで十分だった。最高気温は15℃くらいまで上がったようだ。
冬至は立春から数えて二十四節気の22番目、一年で昼間が一番短い日と言われ、東京では9時間45分という。 この日を境に少しづつ日が長くなり、一陽来復とも言われる。
旧志木街道の堤防(囲ぎょう堤)上からさくらそう水門方面を望む。

レモンエゴマ
オギはますます枯れて細くなり全体に明るくなって、長く垂れ下がったヘクソカズラの実が陽に映えて輝いていた。コカモメヅルは 多くは種子を飛ばし終わっていたが、まだ殻に残っているのも見られた。
レモンエゴマは上下2唇に分かれた長さ3oくらいの萼だけが残り、一部は陽に透けて花のようだった。
人気のない自生地に人の気配がしたので近づいてみると文化財保護課のMさんだった。来年1月13日(水)予定の草焼き の告知を掲示に来たという。来年で復活後9回目の草焼きは9時からの予定で、雨や強風の場合は中止で翌日以降に延期する。
尚、草焼き当日は駐車場も閉鎖されるのでご注意いただきたいという。
草焼きという言葉もだいぶ慣れてきたようだが、許可を得ていない不法な野焼きと区別する条文上の言葉だ。灰はかなり高く舞い上がり 遠くまで飛ぶので近隣の方たちにご迷惑をかける場合があるが、人工的な肥料は一切使っていないサクラソウ自生地にとって焼却灰は貴重な肥料になるの で、是非ご理解をお願いしたいという。

ノコンギク
第2指定地ではノコンギクが丸い冠毛 を付けていた。冠毛はユウガギクなどと違い5oくらいあるので一部は陽に白く輝いてまるで花のようだった。
ユウガギク
上は平たい種子がぎっしり縦に並んで付いて半円形になっているユウガギクの頭果。風も受けられないほどの0.2oくらいの冠毛が 種子の上部にクレータ状に付いている。

トベラとトウネズミモチ
トウネズミモチの実
自生地との境の公園樹のトベラは熟して3裂し、赤い粘液が付着した種子を多数露出して花のようだった。種子はこの粘液で鳥の嘴 などに粘着して運ばれるという。
トウネズミモチは丸い液果を満艦飾に付けている。、果実はともに楕円形であるが、トウネズミモチの方が球形に近く、ネズミモチ はやや細長い。
中国原産で日本には明治時代に渡来したが、とにかく果実の数が多く鳥によって運ばれた種子が発芽して急速に日本各地に広がって いるので、侵略的外来樹木として要注意外来生物に指定されている。
果実を乾燥したものは漢方で女貞(じょてい)といい強壮薬にするというだけに繁殖力も強いのだろう。自生地には鳥の糞によって 運ばれた種子が多数発芽するので駆除するのが大変のようだ。

冬至の自生地模様はさいたま市市民活動サポートセンター田島ケ原サクラソウ自生地を守る会のホームページ からもご覧いただけます。

冬至(とうじ):2015年12月22日の冬至は朝から青空が広がり暖かで、手袋は必要なかった。自生地の定点にしているバス停付近から 富士山もくっきり見え、空気も澄んでいた。 2016年1月4日作成