二十四節気の小寒に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
乾き切った冬の枯野が展開していました
2016年1月6日(火)
2016年の小寒は前日までの3月下旬並みの暖かさから少し寒の入りらしくなった。朝方一時広がった青空は次第に一面の曇り空に変わり
日中もあまり気温が上がらなかった。
自生地はすっかり乾き切って一部の観察路は落ち葉で埋まり、自生地内も細くなったオギやヨシの茎の根元は枯葉で一杯だ。
そんな中でひとつ気がかりなのは黒褐色に沈んでいる倒伏地だ。年々多く、広くなっている。ツル草に覆われてオギやヨシが生育で
きない環境はサクラソウにはよくないのは当然だ。
去年の小寒には始まっていた草焼きの準備の各区の周囲の刈込はまだ作業が始まっていなかった。
この刈込は各区毎に燃やす事で、あまり火が高く燃え上がらないようにし、少しでも近隣への迷惑を少なくするための措置だ。
1月13日(水)9時からの予定の草焼きは年々ギャラリーが増えているが、安全第一に見学して頂きたい。
尚、草焼き当日は駐車場も閉鎖されるのでご注意いただきたいという。
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観察路の左右はオギやヨシが柵にまで覆い被さっているのを、幅5mくらいづつ刈り取り、区単位で燃やせるようにする |
4月のサクラソウの花の時期には近県から多くの人が訪れる。
国指定の特別天然記念物なのに西浦和からの案内標識は何もなく、最悪なのはさくら草橋を渡ってくるとさくら草公園の道路標識が
右折になっている事だ。
車は右折して迂回路を入ってくるための標識だが、徒歩で来る人はそのまま直進すればすぐなのにこの標識に惑わされてしまう。
先日の田島ケ原サクラソウ自生地を守る会の会合で今年こそ何とかして欲しいとの切実な発言があった。
秋まではこんなにシオデの実が付いているのを分からなかったが、他の葉が落ちるに従って萎びたシオデの実たちが現れた。
シオデ(牛尾菜)はツル性の多年草。
雌雄異株。APG分類ではユリ科からサルトリイバラ科またはシオデ科として独立させる。液果は約1p前後の球形で6〜12個を放射状につけ黒色に熟す。
E区の外側の公園樹のユキヤナギはきれいに紅葉し、小さな白い花をチラホラ咲かせていた。
ものみな枯れ姿の中で次世代にバトンを渡して安心したような植物たちも見られた。
コカモメヅルは名残りの種髪がまだ少し見られ、時折吹く風にどこに行こうか期待を込めて揺れていた。
長く黒褐色の草姿で立っていたトモエソウの刮ハは小さな種子をすっかり吐き出し終わったようだ。5枚に裂けた殻の中の様子も観察
できた。
鴨川べりのマユミは一時赤い種皮に包まれた種子を花のようにつけていたが、鳥に運ばれたのだろうか。残った殻が陽に映えて花の
ように見えた。
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トモエソウの刮ハは全て種子を散布したようです |
マユミは種子が無くなり、空になった殻が花のよう |
小寒の自生地模様は
さいたま市市民活動サポートセンターの
田島ケ原サクラソウ自生地を守る会のホームページ
からもご覧いただけます。
小寒(しょうかん):2016年1月6日の小寒は少し寒の入りらしくなった。今年は新年から晴天続きで、気温も3月下旬並みの暖かさで
雪国ではスキー場が開場できず、ワカサギ釣りの湖では氷が張らずに困っているとの報道もある。 2016年1月9日作成