二十四節気の大暑に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
ニイニイゼミが乱舞し、獲物を捕らえたハナグモがいた
2016年7月22日(金)
2016年7月22日の大暑は日本列島は相変わらずの夏日だったようだが、関東地方だけは昨日に引き続いて5月中旬並みの
気温で、半袖では肌寒いくらいだった。
正門から下りて行くとまずA区の
シロバナサクラタデの花々が歓迎してくれた。
中央観察路は水溜りこそなかったが、ぬかるみ部分が多かった。入って間もなくジャコウアゲハの幼虫それも終齢に近い
大きなのが3匹見られたが、奥のハンノキの下のウマノスズクサは根元の茎を食べたようですっかり枯れていた。
シロバナサクラタデはタデ科の多年草。埼玉カテゴリーで準絶滅危惧(NT)。雌雄異株だがほとんどが雄しべの長い雄花だ。
シロネが小さな花を咲かせていたのを接写しようと近づいた。ピントを合わせていると何かが動いた。
もしかしてハナグモと思い、葉の下をのぞき込むとまさにその通りだった。しかも何かを捕まえているようだ。
回りこんで確認しようとすると懸命に逃げる。別に獲物を横取りしようとか、捕まえようとするつもりはないがハナグモ
にしてみれば身の危険を感じているのだろう。
やっとヒラタアブを捕まえたらしいことが分かった(左下の写真)。4枚目の写真ではお腹に食い付いて、しかも自分の身を
守るためかお尻から糸を出して茎に巻き付けているのが見える。
ハナグモ:カニグモ科の一種で花や葉で獲物を待ち伏せる。幼体では全身緑色だが、成体では腹背に褐色の斑紋が見られる。
メスは頭胸部および足は緑色で腹部は白っぽい。オスは頭胸部と足は赤褐色で腹部の中央付近が緑色になるが、メスに比べて小さく絶対数も
少ない。
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獲物はマメヒラタアブのようです |
お腹に食い付き、自分を支えている糸が見える |
ミズタマソウがほかの植物
に紛れず、すっくと伸びて花を咲かせている姿に初めて出会った。いつもは他の草と競争しながら伸び出しているので、花をを撮るには苦労して
いた。
堅果の白毛が露を含んだ様がミズタマソウの名の由来というが、雨滴は毛にはほとんど残らず、花を包んでしまった。
オニユリが一番の盛りで自生地のアチコチで乱舞しているかのようだった。バアソブやヤブカンゾウの花もまだ多く見られ
るが盛りは過ぎたようだ。オトギリソウとアゼオトギリの花は見られなかった。コバギボウシは蕾が2〜3見られたがまだ花には時間がかかるようだった。
雨続きでカタツムリがあちこちで見られ、北通路のハンノキ近くでばらばらと何かが飛んできた。鳴き声は無かったが、
ハチではなさそうなので少し落ち着いて観察するとニイニイゼミだった。見回すとまだ木にたくさん止まっていた。
あまりの多さにビックリしたが、乾燥に対する耐性を身につけ、2008年以降市街地においても復活傾向にあるようで、
自生地も例外ではないのだろう。
大暑(たいしょ):関東地方では21日から2日連続で最高気温が25度を下回り涼しい大暑だった。大暑に25度を下回るのは4年
振りとの事で、5月並みの気温を喜んでいいのか複雑だ。 2016年7月24日作成