二十四節気の秋分に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

倒伏地が拡大しているのは由々しき問題です

2016年9月22日(木)

2016年の秋分の日は朝から雨。空は明るい雲に覆われやんでいるように見えても、かなり強く降り続いてようやく14時過 ぎにやんだ。
自生地は観察路が殆ど水没、雨続きもあって倒伏地がかなり大きく、多くなっている。
倒伏地
上は公園側の北観察路からD区の倒伏地を望む。ここにはサクラソウはほとんど見られない
B区と観察路
サクラソウ自生地の周囲の堤防の除草がようやく終わっていた。しかし観察路は完全に水没していて長靴でも奥までは入れなか った。
来る途中、ジャコウアゲハが紅い花を飛び回って吸蜜していた。とにかく夢中で、雨続きで余程お腹が空いて?いたよう だったが、自生地では昆虫はあまり見られなかった。
右は上記写真と対面のB区の倒伏地と水没している北観察路。公園側から入って左手のB区の倒伏地が大きかったが、D区 の広がりが非常に大きくなっている。
倒伏地は元々はヨシやオギの生育地だったのがつる植物に絡みつかれ倒されてつる植物の天下に変わってしま った。この環境ではサクラソウは育たない。自生地にとっては由々しき問題で対策が急がれる。

ヒガンバナ
鴨川べりのヒガンバナも 今が盛りだが、今年は羽倉橋からさくら草橋にかけての秋ヶ瀬堤のヒガンバナが見事だ。
ヒガンバナ咲く秋ヶ瀬堤
上はさくら草橋近辺から浦和ゴルフ方面を望む。雨が止んで早速ジョギングに現れた女性もヒガンバナ咲く荒川堤を軽快 に歩いていた。
去年は彼岸になっても除草されず、セイタカアワダチソウなどの合間にようやく顔を出していたが、今年はいつも通り9月 の初めの除草だったので素晴らしい景観だ。特に秋ヶ瀬公園への横堤近辺からさくら草橋まではまさにヒガンバナ咲く秋ヶ瀬堤のキャッチフレ ーズが本物になった。
2008年末から09年にかけて一女性が植えたヒガンバナが8年目にして見事に花開き、訪れる人の心を癒し、楽しませている。
これからも是非とも秋ヶ瀬堤の秋の名所にしていきたい。
2009年1月の「前世紀の遺物オイ コラ警察まがいの警告文がありました」も懐かしい昔語りだ。

ツルマメ、ヤブツルアズキより遅い ヤブマメの花が見られた。ヤブマメは地下に閉鎖花をつけ結実する。地上の豆果が3〜5個の種子をつけるのに対し、地下の豆果は丸くて種子は 1つしか入っていない。
カラスウリやキカラスウリは雌雄異株の多年草で夜に花開くに対して、スズメウリは雌雄同株の一年草で昼に花を開く。 秋になると蔓が垂れ下がり地中に潜って塊根を作って越冬する。この特性はカラスウリ等にも見られるという。
ヤブマメ スズメウリ
ヤブマメの花は約2pで旗弁が紫色、翼弁と舟弁は白色 花の下に子房がつくのは雌花。雌花雄花とも葉腋に単生する

アキノノゲシ
ユウガギク
アキノノゲシなどは降り続いた雨に痛めつけられ見る影もなかったし、センニンソウは花がほとんど見られず、雨に散ら されたようで、痩果をつけたようには見えなかった。
花が次第に増えてきたユウガギクも花弁が揃っているのはほとんど見られない。最近の雨は激しいので花たちには 気の毒だ。

秋分(しゅうぶん):秋分の日は1948年に公布施行された国民の祝日に関する法律により制定された。それ以前は秋季皇霊祭 と言われていた。2012年から2044年までは閏年に限り9月22日、平年は9月23日と計算されるという。 2016年9月24日作成