二十四節気の寒露に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

アキアカネの群舞も連結も見られないこの頃です

2016年10月8日(土)

本来なら草に結ぶ露が冷たく感じられ、天候も安定してくるという寒露だが、2016年の10月8日は朝から雲が垂れ込め昼頃 には一時激しい雨になった。
寒露の自生地
バス停付近から俯瞰した自生地はオギやヨシの穂が白く覆って一瞬にして秋を感じさせられた。
秋分の自生地
左は10月8日の寒露のサクラソウ自生地。上は2週間前の9月22日の自生地
ユウガギク
中央観察路ではキタテハが迎えてくれて、両側を彩る ユウガギクがそろそろシーズンを迎え白い花を咲かせていた。
ユウガギク(柚香菊)はカントウヨメナと共にヨメナ属に分類されていたが、以前から両種はシオン属に近縁と言われて いた。冠毛の長さからすると違うように思えるが、APGVではシオン属に入れられている。
アキノノゲシ
フジバカマ
アキノノゲシやフジバカマが最盛期で花を咲かせていた。キンミズヒキは相変わらずでツルマメは豆果に変わり、ヤブツル アズキの花も少なくなり、カナムグラがツリー状に伸びた枝に雄花をつけていた。

秋本番を迎え赤とんぼやツマグロヒョウモン、ウラナミシジミ、イチモンジセセリなどの生き物も多く見られた。
アキアカネ
アキアカネは雌雄によっても個体間でも色の変化等多いが、胸部の黒い線の先端はオスメスとも尖るのが特徴
ナツアカネ
赤とんぼは小形で赤いトンボの総称で、夏から初秋にかけて群れをなして飛び、アキアカネは代表的な日本固有種。
アキアカネは初夏に羽化し夏の間は涼しい近隣の山などへ移動して、秋に水田に舞い戻って産卵する。
1990年後半から全国各地で激減しているというが、原因は農薬でイネ苗と一緒に水田に埋め込まれる箱処理剤らしい。
赤とんぼの区別は素人では難しい。事実胸部の黒い線の先が尖るのがアキアカネでナツアカネは尖らないなど普通では 見分けはつかない。でも、特徴としてはアキアカネのオスは腹部のみが赤くなり頭部胸部は赤くならず(上記の写真参照)、 ナツアカネは頭部胸部腹部とも赤くなるという。

キタテハ ツマグロヒョウモン
キタテハ ツマグロヒョウモン♀
オオチャバネセセリ ウラナミシジミ
オオチャバネセセリ ウラナミシジミ

寒露(かんろ):普通は寒露の10月初めくらいから天候も安定し秋晴れの爽やかな日が続くか、今年は9月中の気温が高く、 台風の影響もあってハッキリしない曇り空の日が続く。温暖化の影響なのだろう。 2016年10月10日作成