二十四節気の霜降に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
ノコンギクが盛りを迎え、観察路を彩るのはユウガギク
2016年10月23日(日)
2016年の霜降は前日の重く垂れこめた空が嘘のように晴れ上り穏やかな秋日和の一日だった。
第2自生地ではノコンギクが盛りを迎え始め、多くの頭花を重なるように付けていた。
ノコンギク
は葉の両面や茎に短毛が密生しざらつく。茎葉は3脈が目立ち縁には大きな鋸歯がまばらに付く。頭花は直径2.5pくらい
で舌状花は一列でほとんど白に近い淡青紫色。冠毛が約5oと長いのが特徴。
ノコンギクは野菊の代表ともいわれるが、さいたま市の荒川河川敷で見られるのは冠毛の短い花
ばかりで、ノコンギクはほとんどない。
上は観察路の両側を彩るユウガギク。右は高く伸びるのがヨシの花序。低い銀白色の花序はヨシ。
萱はススキやオギ、ヨシなどの総称でいずれもイネ科の多年草。順に乾燥地から湿地を好む。
万葉集以前にはヨシという呼び名は見当たらない(野に咲く花)とあり、アシの別名としている。
現在では悪しに通じるのでヨシの呼称が一般的だ。花序は淡紫色を帯び葉は互生して先が垂れる。オギは花序はススキより長く
枝も密に出て小穂の基部に銀白色の長い毛が密生する。普通ノギはない。自生地にはススキはE区の極一部にしかなく、株
を作るのが特徴でナンバンギセルが寄生する。
前回全域に繁茂していたアキノウナギツカミは少し勢力が弱まったようだ。でも、荒川河川敷では
去年ほとんど見られなかった休耕田に大量に群生していた。やはり雨が多かったのが原因のようだ。
道場の飛び地の休耕田に群生するアキノウナギツカミ
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サクラタデ |
地下に閉鎖花をつけるミゾソバ |
14日の観察会の時にサクラタデは今季初めて見られ、ミゾソバは以前にも見たような気もするが、E区
の端の方で印象が薄かった。今年はしっかり存在を確認した。
いつもは全域で見られるセンニンソウの痩果があまり見られない。名の由来の仙人の白髪のような白く
て長い毛のある花柱を付けたのが見られないのだ。群生していた所をよく見ると何もつけない枝先が多い。花の時期に台風
や大雨が多く稔る前に花が落ちてしまったのだろう。
レモンエゴマやアカネそしてコメナモミの総苞片を突き出した花も見られる。
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アカネ |
レモンエゴマ |
霜降(そうこう):今年の霜降は朝から明るい陽射しに恵まれ穏やかな秋日和だった。自生地でもアチ
コチでカラスウリの葉が見られ、赤い大きな果実も見られるが、キカラスウリは見当たらない。 2016年11月10日作成