二十四節気の立冬に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
ナガボノシロワレモコウにしては花穂が短いようです
2016年11月7日(月)
最高気温が前日より5℃低くなる予報だったが、晴天だったので寒さは感じなかった。でも夕方には冷え込んで冬近しを思わされた。
先日守る会のホームページをご覧頂いている方から第2自生地の秋ヶ瀬方面から一番近いコーナーに白い穂をつけているのはコバナノ
ワレモコウだろうか、ナガボノシロワレモコウだろうかとの問い合わせを頂いた。
どの穂も短くて立っているのが不思議だという。
両者の区別は難しいというが、生育地の違いや、礒田先生の資料によりナガボノシロワレモコウと同定した。
ナガボノシロワレモコウは湿原などに生育するバラ科ワレモコウ属の多年草。茎の上部は枝分かれして長さ2〜5cmの花穂を出し、
長いものは垂れ下がる。花は先端から咲き始め、花弁はない。萼片は4枚で白色。雄しべは4本で長く、黒い葯が目立つ。葉は奇数羽状複葉。小葉は長さ
3〜8p、幅5〜20oで長楕円形、5〜15の小葉がつく。
埼玉カテゴリーでは準絶滅危惧(NT)、開発による生育地の減少が懸念される。
自生地内は相変わらず観察路の両側を彩るユウガギクが主役だ。第2自生地ではノコンギクが盛りは過ぎたような感じだが
タイアザミは相変わらず多くの花を陽に輝かせていた。
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タイアザミの頭花はやや横向きに付き、総苞は筒形 |
タイアザミの総苞片は水平に開いています |
タイアザミの漢字表記は「大薊」で大きいアザミの意味。別名トネアザミ(利根薊)で関東地方には普通にある。
タイアザミ Cirsium nipponicum var. incomptumはナンブアザミ(南部(岩手県)薊)の変種。
見分けの特徴は@花期には根生葉は枯
れて無い。A茎葉は変異が多いが、基部は茎を抱かない。B総苞は幅約2pの筒形で、総苞片は水平に開くか反転する。C頭花は茎先に横向きまたは下向き
に付く。
自生地はバス停付近から俯瞰するとオギの穂がますます白く風になびいていた。北側の横堤は緑色だが年に3回くらいの除草の影響だ
ろう。
自生地を俯瞰したパノラマ写真。自生地の萱の白い穂と横堤の緑が対照的
キク科の
コメナモミは頭花が散房
状に付いた外側から総苞片が長く伸び出す。この5本の総苞片には腺毛が密生して粘り、痩果と一緒に動物などにくっ付いて運ばれる。
一方バラ科の
キンミズヒキはよ
く発達した萼筒の縁にある多数のカギ状の刺で動物などに付いて運ばれる。
オトギリソウ科の
トモエソウはきれい
な若葉をつけていた。ヒツジやヒコバエとは違うのだろうか。でもどうせ冬には枯れてしまうだろうが刮ハの褐色との対比が新鮮だった。
アサ科の
カナムグラは赤くなった
雌花序の雌花の苞は先が尖り、縁に荒い毛が多く果期には先が反り返る。
立冬(りっとう):最高気温が前日比マイナス5℃の予報だったが、晴天で風もあまりなかったので寒さは感じなかった。でも夕方から
は冷え込んで冬近しを感じさせられた。 2017年2月2日作成