二十四節気の小雪に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
アカハナワラビが一茎伸び出していました
2016年11月22日(火)
最高気温が20℃と前日より6℃も高くなった小雪で、自生地を普通に歩いただけで全身汗ばんでしまった。
E区の外側にアカハナワラビが一茎伸び出していた。根元を見ると栄養葉があって小葉には鋸歯があった。
アカハナワラビはハナヤスリ科ハナワラビ属のシダ植物。栄養葉の葉身は3出葉的に3回羽状に分岐し、長さ、幅ともに約10cm、草質。
葉表には脈に沿うように白味を帯びたカスリ模様が入り、紅変前には全体が緑白色に見える。胞子葉は栄養葉よりもはるかに長く、胞子飛散後には枯死する。
普通、冬季には草体が著しく紅変する。(関西の花)
埼玉カテゴリーの準絶滅危惧(NT)
栄養葉はこの後、葉柄の根元から折れて葉身だけが残っていたので紅葉する様子は観察できなかった。
11月22日には胞子をいっぱいに含んでいた胞子嚢は1月5日にはほぼ胞子を飛ばし終わり、20日には枯れ姿だった。
|
|
|
アカハナワラビ胞子葉 |
アカハナワラビ胞子葉2017/01/05 |
アカハナワラビ胞子葉2017/01/20 |
ハナワラビの仲間には代表的なものにアカハナワラビ、フユノハナワラビ、オオハナワラビがあり、2種以上が混生していると雑種
を作り易く、同定には苦労するようだ。三河の野草には「アカハナワラビの胞子葉は9月〜12月に出て、高いものは50pほどにもなり、胞子を出すとまもなく
倒伏する。胞子の表面は平滑」とあり、「オオハナワラビは大型で、葉の縁には鋭鋸歯がある。胞子葉の柄が春まで残る」ともある。上記の1月20日の写真を見ると枯れ死する気配もなく、
何となく不安だが礒田先生の調査ではアカハナワラビとあるのでもう少し観察してみたい。
俯瞰した自生地はオギの白い穂もかなり枯れ色を帯びてきた。
左は小雪の自生地、上は2週間前の立冬の自生地
観察路の両側は葉を落としたオギやヨシで明るく見通しがよくなり先日来キカラスウリが無いか目を凝らしているが、自生地には
無いようだ。
シオデの黒い液果はしわが見られるように
なり、
コバギボウシの痩果は相変わらず莢の中だ。
ユウガギクはまだ花は見られるものの痩果が詰まった頭果が
圧倒的だ。
コセンダングサにはウラナミシジミやヒメアカタテハが来て小春日和を通り越した麗らかな昼下がりを吸蜜に忙しかった。今頃
のチョウの多くは翅が傷ついていて何となく哀れだ。
|
|
シオデの液果 |
ユウガギクの頭果 |
|
|
ヒメアカタテハ |
ウラナミシジミ |
小雪(しょうせつ):晩秋の麗らかな日和とあって小雪とは思いもよらない暖かさだった。アカハナワラビに初見参で色々調べてみると
ナカナカ同定が難しいハナワラビ属のようだ。 2017年2月8日作成