二十四節気の雨水に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

寒の戻りの自生地には現実の雨水が欲しい

2017年2月18日(土)

2月18日は最高気温が前日より10℃以上も下がって文字通り寒の戻りだったが、風がほとんどない穏やかな 2017年の雨水だった。
前日は関東地方にも春一番が吹き荒れ、気温も22℃まで上がり5月上旬の陽気だった。
自生地はこのところ雨がほとんど降らないので白っぽく見えて、いつもは旺盛な生命力でこの時期の自生地 の主役のノウルシも何となく生気が無いように感じられた。
ハンノキ
自生地
上はバス停付近から俯瞰した自生地。まだ、緑はほとんど見えず、いつもなら草焼き後の真っ黒い自生地が 何となく白っぽい。

左は花粉を飛ばしているハンノキの雄花序。左上の松ぼっくり状は果実で種子を風で飛ばす。

サクラソウ
サクラソウの芽立 ちも見られるようになったが、何といっても線形のアマナの葉が多く目につく。
ノウルシ
左の写真で若草色の毛の多いしわしわがサクラソウ。周囲の緑の刀のようなのがアマナで赤いのがノウルシ。
そしてB区ではフキノトウが多く見られるようになった。 ノカンゾウ、ノビルも生長が早い。ノカラマツは赤いガラス細工のような幼葉が緑に変わり始めていた。
フキノトウ フキノトウ花
フキはキク科の多年草で雌雄異株。葉に先立って伸び出す茎を蕗の薹という。右の花は雄株
サトザクラ ジョウビタキ
いつも桜草公園でトップに咲くサトザクラ メスのジョウビタキ

自生地の隅のうろが開いたハンノキの老木にノキシノブが着生していた。
ウラボシ科のシダの一種で、よく見ると丸い線状の葉が縦に裂け丸い胞子が見えるのもあった。
ノキシノブ ノキシノブ胞子
ハンノキに着生したノキシノブ 胞子を露出しているノキシノブのアップ
ノキシノブ(軒忍、学名: Lepisorus thunbergianus)
ウラボシ科ノキシノブ属に属するシダの一種。和名は、軒下などにも生え、シノブのように着生することから。

雨水(うすい):雨水とは雪が雨に変わる頃の意味で、この日にお雛様を出すと良縁に恵まれるとの言い伝えもある。 前日に吹いた春一番は立春から春分までの間に、日本海の低気圧に向かって、南側の高気圧から10分間平均で風速8m/s以上の風が初めて 吹き、気温が上昇することを言う。  2017年2月24日作成