二十四節気の穀雨に見る田島ヶ原サクラソウ自生地
今年はサクラソウの見られるさくら草まつりでした
2017年4月20日(木)
サクラソウ自生地は4日連続で夏日だった前日までの暖かさで、サクラソウが多く開花したが、その他の植物がそれ以上に生長して、
オギや
スイバのスダレ越しが多くなった。
穀雨の20日は最高気温は25℃までは上がらなかったが好天に恵まれ、チョウジソウが開花し、多くの
アマドコロも花をつけ、
トダスゲの小穂も大きくなった。一週間振りで来た埼大生は前回
よりずいぶん景色が変わりましたネと話していた。
トダスゲ(戸田菅)別名アワスゲ:1950年には絶滅とみなされていたが、1992年に朝霞市の新河岸川で偶然再発見される。戸田ヶ原に自生
していたのが名の由来。絶滅危惧TA類(CR)
チョウジソウ(丁字草):花の形がフトモモ科のチョウジに似ているからとか花を横から見るとT字形で丁
の字に見えるからとの説もある。広く園芸種が出回り純粋な在来種が少ないという。準絶滅危惧(NT)
トダスゲは河原などに生える多年草。茎はハッキリした3稜形で、葉の裏面は粉白色を帯びる。茎の先に2〜3個の小穂が直立して付く。
黄土色の頂小穂は雄性で、緑色の円柱形の側小穂は雌性、先端に雄花をつける事がある。果苞は約3oの卵形で丸く膨らみ別名のアワスゲの由来となる。
この時期はスイバが自生地全体で伸び出してくる。土手などに群生しているとそれなりにきれいにも感じるが、ここ自生地では完全に敵役
でオギなどの緑とスイバの橙色が中途半端に溶け込み、景色が薄汚れた感じになってしまう。
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E区のタジマシロは完全にスダレ越しになってしまった |
今年もアカメヤナギの近くに見られた4枚のサクラソウ |
今年のさくら草まつりは16日だったので、サクラソウがまだ見やすく観察路も賑わった。
最高気温が26℃と好天にも恵まれ、桜の花も一部残って多くの来場者で賑わった。徒歩や自転車で正門方面から来場した人は6,383人と
カウントされた。
舞台では近くの学校やサークルなどの演奏や踊りが行われ、ビッシリ並んだ屋台は大賑わい。村祭りの雰囲気で大いに盛り上がっていた。
今年のさくら草まつりは我々ボランティアにとっても意義があった。
例年のさくら草まつりの時はサクラソウがほとんど見られず多くの来場者は自生地を素通りしてしまう。でもサクラソウが見られれば
来場者は観察路に入って見学してくれる。
今年のさくら草まつりはサクラソウ自生地の見頃の範囲内だった。4月第3週の土・日曜日が決めで桜草公園会場は日曜のみの実施だ。
今年は良かったが来年は22日でまたかなり遅くなってしまい数年はそのくらいの日が続く。そうなるとまたサクラソウ抜きのさくら草まつりになってしま
うのが本当に残念だ。
穀雨(こくう):穀雨の七十二候の初候(4/20〜24)は「葭始生(よしはじめてしょうず)」で、葭(よし)が姿をあらわし始め、その姿は
日々高くなり、太陽へ届かんばかりの成長をするという事と言うが、サクラソウ自生地にとっては痛しかゆしの生長だ。 2017年5月20日作成