二十四節気の立夏に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

オギとヨシの比率はますますヨシが少なそう

2017年5月5日(金)

今年のGWは大型で好天にも恵まれた。
4日が何時からみどりの日になったのかも意識しなかったが、小石川植物園に行ってその恩恵を享受した。ここは高齢者割引も無く、入園 料も400円と安くはないがこの日だけは無料だという。
まるで知らずに行ったのは僕だけで他の人達は知っていたようだったが、それだけにラッキー感が強かった。昭和天皇が植物にお詳しく 愛されたのがみどりの日の由来で、植物園もそれを敷衍して無料にしたようだ。
ヒトツバタゴ
ハンカチノキ
ハンカチノキ ミズキ科の落葉高木。中国四川省・雲南省付近原産。APG分類でもミズキ科に戻っている。直径約2pの頭状花序には両性花が 1個と雄花が多数付き2枚の白い苞葉が紫外線から守っているという。白い長さ6〜15pの苞葉がハンカチのように見えるのが名の由来。別名鳩の木、属名のダビ ディア(Davidia)で呼ばれることも多い。
ヒトツバタゴはモクセイ科の落葉高木で別名ナンジャモンジャノキ。環境省の絶滅危惧U類(VU)。雌雄異株だが雌花だけの木は無いという。 花冠は深く4裂し、裂片は約2pの線状倒披針形で近くで見ると何の変哲もない花だが、これだけ豪華に盛り上がった姿は初めて見た。写真は目で見た入道雲の ようなむくむくと真っ白に盛り上がった豪華さの半分も写し撮れていない。

三ツ又沼付近でハチク(淡竹)が花を咲かせているとの報があり、調べてみると南伊豆でも淡竹林90アールのうち3分の一が開花していると いう。近年では香川県や京都府でも開花が確認されており、全国へ波及するかもしれないとあった。
ハチクの花
ハチクの花
ハチク(淡竹)は120年に一度花を咲かせ、後は枯れるという。
花と言っても竹はイネ科なのできれいではなく稲穂と同じようだという。でもとにかく「百聞は一見に如かず」で早速行ってみた。
一番ひどいという所はもう倒れ込んでいるハチクが多く悲惨な光景だった。
ハチク ハチク
入間川大橋の信号を下ってしばらく行った自転車道の右手の竹林のハチクの花
ハチク(淡竹) 竹類では最も耐寒性がある。マダケよりやや小形で蝋質が多いので白っぽく見える。節は2輪状で上部 の各節から太さの違う枝を2本づつ出す。葉はマダケより少なく表面は緑色で質が薄い。マダケの葉は黄緑色で質が厚い。

特別天然記念物碑
自生地では特別天然記念物石碑が隠され始めたが例年に比べるとオギなどの生長が遅いようで、ほんの少し下の方が隠されただけだ。
レンリソウチョウジソウは花盛りだが、急激に増えた ハナウドの白い大きな傘型の花はあまり見られず、 ハナムグラに至っては全く見られなかった。
前年も一昨年もオオヨシキリが騒がしかったが、今年は10時頃から2時間の間、まったく鳴き声が聞かれなかった。
ほぼ中央にあるシンボル的なハンノキが一部に青葉が見られるようになったが、枯れかけているようなのが心配だ。樹の近くのウマノスズ クサも未だ見られない。何かが変わりつつあるのだろうか?
所々で濃い緑色のツンと上を向いているがヨシ
先日、荒木先生がオギとヨシの比率を5:2とおっしゃっていたが今の時期はハッキリ高さが違うので分かり易い。ヨシの比率は本当に少 ない感じがする。
トダスゲ エキサイゼリ サクラソウ
絶滅危惧TA類(CR)のトダスゲ 準絶滅危惧(NT)のエキサイゼリ 準絶滅危惧(NT)のサクラソウ

立夏(りっか):立夏は5月5日になる事が多い。今年は6,7日が土、日で大型連休になった。4月29日が1989年(昭和64)1月7日昭和天皇崩御に よりみどりの日に変わった。そして2007年に昭和の日に変わったのを受けて、5月4日がみどりの日になったのを今年初めて知った。  2017年5月13日作成