二十四節気の芒種に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

芒種の芒はイネ科の植物の穎の先端にある棘状の突起

2017年6月5日(月)

テレビで二十四節気で一番なじみのない節気が芒種と言っていたが、確かにそうかもしれない。
だいたい芒という字に馴染みがないが、ノギまたはススキとも読む。ノギはイネ科の植物の穎の先端にある棘状の突起。ススキに はあって、オギには無い。また栽培イネでもノギはほとんど見られないという。
ノカラマツ
これからはキンポウゲ科のノカラマツがノウルシに替わって自生地の主人公だ。
ヒメジョオン
A区沿いにはヒメジョオンが群生していた。ヒメジョオンは1865年頃観賞用に北アメリカから移入され、当時は柳葉姫菊として珍重 されたようだが、その繁殖力の旺盛さから要注意外来生物に指定され、日本の侵略的外来種ワースト100にも選定されている。
でもこれ程人間様の勝手なことはない。わざわざ輸入しておいて繁殖力が強いので生態系を破壊すると手のひらを返されても植物 にとっては迷惑千万な話だ。
これは先日行った広島空港周辺のオオキンケイギクの一大群生のあまりの見事さにも実感したばかりだった。

自生地ではノカラマツやオカトラノオ属が花穂をつけ始め、ヤブジラミが白い花を複散形花序に付け、クララやノビル、クサノオウ の花も見られ、シオデが小さな蕾を球形に付けていた。トモエソウやオニユリはまだだ。
クララ イヌヌマトラノオ
クララの細長い豆果の原型が伸び出しています オカトラノオ属の雑種のイヌヌマトラノオ
ノビル ヤブジラミ
ノビル ヤブジラミ

昭和水門から彩湖に下っていく途中にセイヨウアブラナが群生していたが、ここにも若干菌えいが見られた。
荒川土手では今年は特に多く見られ、あまりに奇怪な形で大きく膨らんでいるので虫こぶと思ったが、調べてみるとアルブゴ・ マクロスポラ菌が原因の白さび病で、菌こぶ(菌えい)という。
菌えい

白さび病:ダイコン、ナタネなどのアブラナ科作物などの病気。アブラナ科作物の白さび病は、鞭毛(べんもう) 菌類の一種であるアルブゴ・マクロスポラ(Albugo macrospora)の寄生によっておこる。主に葉の裏面に盛り上がった白い斑点ができる。
茎、花梗、花では病斑部が脹れて奇形を呈し、表面は白色になる。(日本大百科全書抜粋)

左の写真は花が終わり、果実の実になっているので菌えいがよく目立つ。でも荒川土手に出現したのはもっと大きく、ごつくて 本当に奇怪な風景を作っていた。

芒種(ぼうしゅ):芒種には芒のある植物の種をまく時期という漫然たる知識があったが、栽培イネには芒が無いというのは初めて 知った。穎の先端に付くノギは種子を拡散するための器官なので、栽培種には不要のため近代種では退化しているという。  2017年8月6日作成