二十四節気の夏至に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

オカトラノオ属が全域で花をつけています

2017年6月21日(水)

ひび割れた観察路
2017年6月21日の夏至は朝から雨模様で時折強い風と大粒の雨がガラス戸を揺らしている。
今日は荒れ模様との予報だったのでサクラソウ自生地には前日に行ってきた。最高気温が30℃くらいまで上がり暑い日で、もとも とひび割れしやすい観察路が乾燥し切っていた。
クマツヅラ
クマツヅラ(熊葛)はB区の入り口 付近で小さな花を咲き継いでいる。クマツヅラ科クマツヅラ属の多年草で、平安時代の和名抄にも登場する。古代ローマでは聖なる草とされ、祭壇 を飾る草でもあったようだ。漢方では葉を生薬の馬鞭草として広く用いたともいう。同属にはアレチハナガサ、ヤナギハナガサがある。

オカトラノオ属は全域で見られたが、相変わらず虫が付いていたり、奇形の花が多く目につく。でも中にはノジトラノオらしき花 穂も見られ、オカトラノオのような形の花穂もあった。
ノジトラノオらしき
オカトラノオらしき
色々探してみるとノジトラノオと言ってもおかしくないような豊かな花穂の個体もあった。でもノジトラノオにしては葉が大き過 ぎる。
オカトラノオのような虎のしっぽを思わせる花穂もあった。でもこれは葉が細くて葉柄が無い。
いずれにしても進化の過程の雑種なのだろうから見る方で楽しめばいいのかもしれない。
オカトラノオ属はサクラソウ科なのでサクラソウ自生地にはあって欲しい植物で、親しみもある。
分子系統学に基づくAPG分類体系の第1・第2版ではヤブコウジ科に含める事も提案されたようだが、第3版ではサクラソウ科に戻っ た(ウィキペディア)といい、何となくホッとしている。

田島ケ原のサクラソウとノウルシらをめぐる記録
名取史織著「田島ケ原のサクラソウとノウルシらをめぐる記録」を購入。
発行は2017年5月15日だが、内容的には1980年代とだいぶ古い時代の記録なので、学問的には価値の高い観察記録のようだが、あまり参考 にはならなかった。
キカラスウリ
AM7時09分にもこんなに花開いていたキカラスウリの雌花。雌花は3裂した緑色の柱頭が見られる。(自宅にて)
夜も比較的早くから花開き、朝も明るくなっても花が開いているのはカラスウリと違ったキカラスウリの特徴です。

APG分類ではサルトリイバラ科に分類される シオデがアチコチで丸い花をつけていた。若い芽はアスバラに似て美味な山菜のようだがまだ食べたことはない。雌雄異株で、自生地では圧倒的に雄花が 多く見られる。
シオデ雌花 シオデ雄花
シオデ雌花 シオデ雄花

夏至(げし): 昼間が14時間35分との事なので夜は39%になる。畳の目のようにほんの少しづつ昼間が長くなり、いつの間にか19時過ぎ まで明るいのは四季のある日本の有難さだ。 2017年8月17日作成