二十四節気の小暑に見る田島ヶ原サクラソウ自生地

蔓植物は全て目の敵にされるようですが・・・・

2017年7月7日(金)

キカラスウリ
昨日見つけた新宿御苑のキカラスウリの採集に行った。自然界にも殆ど無くなり、植物園ではつる植物は極端に嫌われ、ほとんどの所で 見られなくなり、問い合わせてもこの4〜5年は見ませんとの回答だ。新宿御苑だけが2015年に果実の報告があるがそれも一ヶ月経たない内に撤去されたとあっ た。何で全てのつる植物が嫌われるのか不思議だが、とにかく這い上った植物を覆い尽くしてしまう難点がある。
今回も6日に訪ねた時にはちょうどキカラスウリが繁茂している公園樹(並木)の刈り込みをしていた。たまたま休憩中の親方にキカラスウリは 雌雄異株で自分の家には雌株しか無く荒川河川敷には全く無いので何とか受粉させたくて雄花を探しに来たという話をした。
キカラスウリ
親方曰くこれだけきれいに咲いていても並木の維持管理のためには明日は全部刈り取らねばならないという。
刈られる前に何とかしようと昨日はペットボトルに入れて持ってきたが、咲いた花は役に立たず、蕾は開花しなかったので、今日は毎日 咲き継いでいく蕾と挿し木(芽)にする蔓先が欲しくて行ってきた。
キカラスウリの花は11時過ぎでも咲いていた。中心の黄色は雄しべの葯。上の写真では花も蕾も空に向かって林立している。
結構高い並木なので蔓は引っ張り降ろさねばならないが、とにかくよく分岐している。それもどちらが根元でどっちが蔓先なのかわか らないほど次々と直角に分枝している。そして他物に絡みつく巻きひげの多さにも改めて驚いた。

キカラスウリの葯 食べられた葯
萼筒を除いた葯。葯室はS字形に屈曲するのが特徴とか 真ん中の葯室は幼虫に食べられてしまったようです。
葯室から出てきた幼虫
取ってきた花を解体してみると、ネットで紹介されていたカボチャの葯にそっくりだった。約室は縦に3室に分かれていて小さな粒は花粉 なのだろうか。
10花ほど解体したら、2花の葯に幼虫が住んでいた。調べてみるとミバエ科のミスジミバエはカラスウリ属の雄花に産卵するというので、 右の幼虫は間違いなくミスジミバエの幼虫だろう。
ミスジミバエは体長約1pで背中に3本の筋があるのが名の由来といい、写真で見ると緑色の眼がきれいで人には無害のようだ。でもウリ科 の植物、特にキュウリなどを食害する害虫だ。
関連記事としてキカラスウリの果実にはカボチャミバエの幼虫が寄生して中身を食い荒らしてしまうとあった。一生懸命人工授粉させて 結実した果実を食い荒らされては堪らないと心底思う。

2017年7月7日の小暑は西日本特に北九州、山陰は死者も出る豪雨災害、東日本・北海道は猛暑に襲われ細長い日本列島が対照的な天気模様 だ。午前中は新宿御苑に行ったので、田島ケ原には午後3時過ぎに出かけた。
ノカンゾウが花の盛りで、一部ではヤブカンゾウも見られる。ハンゲショウが葉を白くして、観察路の両側はユウガギクが葉を茂らせ、 花の季節に備えている。オカトラノオ属が名残の花を咲かせ、オニユリは全域で多くの蕾を付けているがまだ花は一輪も見られない
ノカンゾウ
ハンゲショウ
田島ケ原はもとより荒川河川敷にもキカラスウリは無いが、自生地では蔓植物が繁茂し始めた。
シオデの大きな葉と丸い集散花序が目立つ。クサフジが花穂を立て、バアゾブが蕾を持ち始めた。ヒルガオが花を咲かせノブドウの蕾や 葉も見られる。歓迎されざるヘクソカズラ、ヤブガラシ、センニンソウ、ツルマメやカナムグラも目立ち始めた。
オオチャバネセセリ アカバボシゴマダラ
減少が言われるオオチャバナセセリ 中国原産のアカボシゴマダラ
鴨川べりで久し振りにアカボシゴマダラに会い、オオチャバネセセリも見られた。
午後も遅かったので、トモエソウの花は萎みかけ、オトギリソウやアゼオトギリの花は見られず、コカモメヅルの花は閉じていた。

小暑(しょうしょ):いつもこの時期は梅雨の真っただ中で牽牛織女の出会いを心配する事が多いが、今年は連日山陰・北九州の豪雨被害が 報道され、7月8日に予定されていた眞子様の婚約発表会見も延期された。  2017年7月11日作成